No.80の記事

計算から導く高性能断熱材と安価断熱材の差

「なんの為の熱伝導率だと思ってるんだ!熱伝導率が低いほうが性能が高いに決まってるだろ!」
お叱りを受けたので、

U値(熱貫流率)と熱伝導率から
※※安価な断熱材と高価な断熱材の比較※※
を計算で説明します。
(必ずしも計算が正しいとは限りませんが、一級建築士の監修を受けて掲載しています。間違いがありましたらお知らせ下さい)

安価低性能断熱材 グラスウール100_住宅の場合
U値(熱貫流率)=1÷(0.1(壁厚)÷0.04(熱伝導率))=0.4
U値0.4×20(温度差)×232(35坪断熱面積)=1856w
つまり、室内が20度、外気が0度の時、35坪の住宅では1時間に1856wの熱量が奪われる事になります。

高価高性能断熱材 フェノールフォーム100_住宅の場合
U値(熱貫流率)=1÷(0.1(断熱厚)÷0.025(熱伝導率))=0.25
U値0.25×20(温度差)×232(35坪断熱面積)=1160w
つまり、室内が20度、外気が0度の時、35坪の住宅では1時間に1160wの熱量が奪われる事になります。

差は1856w-1160w=696w(1時間)
つまり、高価高性能断熱材のほうが、1時間に696wの熱量を節約出来る事になります。
この熱量をわかりやすく表現すると、
家全体で100ワット電球7個分の熱量です。
【6畳の部屋の場合50ワット電球程度の熱量。】
この小さな熱量でも、積もればエコにつながると思いますよね。
しかし、この小さな熱量は積もらないんです。

家の場合、
1.ドアの開け閉めによる損失
2.窓からの損失
3.24時間換気での損失
により、6畳で50ワット程度の熱量はかき消されてしまいます。
そしてなにより、この50ワット程度の熱量とは、「人が発する熱量75ワットよりも少ない。」と言う事実。
つまり、6畳の部屋に人が1人いるかいないかの差、ごくごく小さな温度です。

温度計でも測定出来ないレベルの温度差。
これが計算から割り出した、高性能断熱材と安価な断熱材の「差」
つまり、性能が高い断熱材を使用しても、体感出来るような温度差は生じない!と言う事です。


(冷蔵庫や飲料水自動販売機の場合は、完全に密閉された状態なので、損失が極めてゼロに近い。つまり、小さな温度でも積もり積もってエコに繋がります)