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熱伝導率より最高温度最低温度が重要



こちらは、この夏最も温度が上昇した日の、各断熱材内部温度。
断熱材の設置場所はどれも同じ。
断熱材の大きさも同じ。
中央に温度センサーを配置して、24時間温度変化を記録しています。
最高温度は45℃から52℃の断熱材までバラバラ。
そして、熱伝導率順でもありません。
最も温度が上昇したのはスタイロフォームの52.5℃、熱伝導率は0.03
熱伝導率0.04のセルロースファイバーの最高温度は46.2℃
熱伝導率が低いスタイロフォームのほうが、温度が上昇しています。
これは、熱伝導率が、熱が伝わる“目安、理論値”であることを意味していると思います。
人は、0.03グラムと、0.04グラムの違いを感じ取る事は出来ません。
0.3グラムと0.4グラムの差も感じ取る事は出来ません。
100倍になる3グラムと4グラムの差を感じ取ることも、難しいと言われます。
もちろん熱伝導率0.03と0.04の違いも、感じる事は不可能。
つまり、熱伝導率はあくまでも、目安。重要な数字は、実測値の“最高温度”だと判断しています。
熱伝導理が低くても52.5℃に達するスタイロフォーム
熱伝導率が高くても46.2℃までしか上昇しないセルロースファイバー。
そして、熱伝導率が0.07、断熱材の中で、最も高いジェル断は、37.1℃までしか上昇しません。
他の断熱材とは、異次元のグラフ推移を見せるジェル断。

しかし、平均値はこちら!
どれも、全く変わらない・・・。
つまり、断熱材内部に伝わるエネルギー量は、全て同じ!と言う事。
それなら、どの断熱材を使っても同じ!と言う事になります。
実際、熱量で考えるとそうなります。
しかし平均値は同じでも、最高温度が高ければ高いほど冷房料金が高くなる事がわかってきました。
最高温度52℃に達する断熱材の場合、適温28℃にするには24℃下げる必要があります。
対して最高温度37℃のジェル断の場合、9℃下げれば適温になります。
最大24℃下げる断熱材と、最大9℃下げればいい断熱材。

エアコンは、1℃上がるごとに、2割、消費電力が増すそうです。
これが、エアコン消費電力の差に繋がります。

わかりやすく例えると、同じ距離でも、アップダウンが激しいコースと、平坦なコース。
消費カロリーが多いのはアップダウンが激しいコースですよね。
先程の最高温度52℃をコースに例えると、それは、登山に匹敵するアップダウン。
人なら、平坦なコースの3倍以上カロリーを消費するそうです。
これが、エアコン消費電力を増加させるポイント!

次に冬季の場合。
一般的な断熱材は、外気が−20℃に下がると、約1時間で同じ−20℃まで下がります。
しかしジェル断は、37時間経たなければ、マイナス温度になりません。
理由は、ジェル断が氷に変化しているから!氷に変化する37時間は、マイナスの温度が伝わらない!
これをグラフにすると、こうなります。
他の断熱材よりも、圧倒的に冷気が伝わりにくい・・・
この時の平均温度がこちら!
外気がマイナスまで下がるエリアでは、平均温度が違ってくるのがジェル断のポイント。
それはジェル断だけが持つ、形態を変化させる特徴によるもの。
他の断熱材は、温度の変化で形態が変わることはありません。
しかしジェル断は、マイナスになった時にだけ、水から氷へ形態を変化させます。
この時、マイナスの温度を大量に吸収するのがジェル断!
ジェル断で包まれた家の場合、この間はマイナスの温度が伝わらない!事になります。
これが断熱性能を高め、エコな暖房につながると考えています。

現在全方位ジェル断で囲まれた家は、Air断九州モデルハウスだけ。
来春には、冬季、断熱コストを解析しお伝えする予定です。

これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。