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「上昇気流が発生してる動画を見たのですが?それでも上昇気流は発生してませんか?」




「上昇気流が発生してる動画を見たのですが?それでも上昇気流は発生してませんか?」
問い合わせがありました。

ご指摘の、上昇気流が発生しているYouTube動画も確認しました。
模型の屋根を、投光器で温めている動画でした。
ただ、動画のように、模型の屋根だけを直接温める事が出来れば、実際の家でも上昇気流が発生するかもしれません。

しかし、太陽は、広範囲を、同じように温めます。
動画のように、他の部分は温めず、目標となる屋根だけを温める事が、まず不可能だと思います。

上昇気流とは、周囲よりも温度が高い空気が上昇する事だと言われます。
太陽光が当たるエリアは、一様に温度が上がり、そこに接触した空気は上昇します。
しかし屋根内部や、壁内部は、太陽光が直接照り付ける表面よりも温度が低いので、上昇するほどの温度に達しないと思います。


もちろん、実験のように、屋根だけを直接温める事が出来れば、局部的に温度が上昇するので、上昇気流が発生すると思います。
しかし、実験動画と同じような状況が、実際の家で起きるとは思えません。

更に、日没後は、全く上昇気流が発生しません。

通気層が最も対流を必要とするのは、結露が発生する夜間です。
日没後、放射冷却の影響で屋根材が冷え、通気層内部に結露が発生した時こそ、
「上昇気流」の様な対流が必要ですが、この時、普通の家では、通気層に対流が発生する事はありません。

これが壁体内結露に直結します。

屋根材や外壁材が、放射冷却の影響で、周辺よりも温度が下がると、通気層や、構造用合板も温度を失います。
温度を失った構造用合板内部に、内部の空気が接触する事で結露。

これが、最も怖い、壁体内結露と言われています。
壁内部で結露が発生すると、その結露水は蒸発する事無く、長期間その場に存在します。これが、家を内部から破壊する「木部腐食」に繋がります。

Air断は、ファンを強制的に動かして、通気層に対流を発生させます。
冬季、室内を暖め、役目を終えた空気を通気層に送り込むことで、放射冷却で温度を失う外壁材の温度低下を抑制。
外壁温度が、下がりにくいので、結露も発生しにくくなります。

「上昇気流が、一切発生していない」とは言いません。

ただ、通気層に最も対流が必要な時に、上昇気流は発生していないと思います。
ご理解いただければ幸いです。