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「断熱材を上から熱して、差が生じてる実験を見た事ありますか? 断熱材によっては、差が生じています。御社が言ってる事と違ってませんか?」 ご質問を受けました。



「断熱材を上から熱して、差が生じてる実験を見た事ありますか?
断熱材によっては、差が生じています。御社が言ってる事と違ってませんか?」
ご質問を受けました。

写真のように、投光器で直接断熱材を暖め、その下の温度を計測する実験だと思います。
この実験では、断熱材によって、温度差が生じます。
これは、実験に問題があると思います。
断熱材には、光を通しやすい断熱材と、光を通しにくい断熱材があります。
こちらは厚さ30ミリのスタイロフォーム断熱材ですが、バックライトが透けます。
こちらはグラスウール、厚さ100ミリもありますが、こちらもバックライドが透けます。
これが光を通しやすい断熱材。光を通すと言う事は、熱も通します。
対してネオマフォーム30ミリ。
バックライトは、全く透けません。
これが、光を通しにくい断熱材。光を通さないので、熱も伝えにくい。
しかし、グラスウールも、スタイロフォームも、その他の断熱材も、
光が直接照り付けるような場所で使用される事はありません。
断熱材は、外壁が太陽光を遮断した、真っ暗な壁の中で使用されます。
つまり、光を直接当てる、放射実験では、断熱材の本当の性能が出てこない!と言う事です。

あくまでも、壁の中、真っ暗な環境に置かれるのが断熱材で、壁の熱は、放射熱ではなく、対流熱が基本となって、熱を伝えています。
放射熱がゼロとは言いませんが、無視できるような熱量。

つまり、家の断熱材の性能を調べるには、投光器ではなく、
冷蔵庫のような対流で熱を伝える実験が望ましいと言われます。
「断熱材の実験解説2」では、冷蔵庫に投入した断熱材実験を解説しています。
「45分しか変わらない遅れ」を見ると驚かれると思います。
概要欄にリンクを貼ってありますので、興味のある方はご覧ください。

本来使われない環境での実験は、本来使われる家の性能には繋がらないと思います。
ご理解いただければ幸いです。