断熱材平均比較データ
断熱材実験データの平均を比較しました。
「断熱材の性能はどれも同じ」
高価な断熱材も安価な断熱材も、性能面ではさほど変わらない!
事が、実験中の平均データから見えてきました。
断熱材測定実験では、それぞれの断熱材を、400ミリ角のボックスに入れ、その中心に温度センサーを配置。
24時間365日計測を続けています。
断熱材内部で、どのような温度変化を起こすのか?を細かく測定。
こちらは、2019年8月11日、断熱材内部の平均温度です。
グラスウール 32.01℃
スタイロフォーム 32.97℃
フェノールフォーム 32.00℃
発泡ウレタン 31.90℃
セルロースファイバー 33.24℃
平均温度が最も高かったのは、スタイロフォームではなくセルロースファイバーでした。
しかしその差は1.34℃。この1.34℃の差の中に、測定した全ての断熱材が入り込む、まさにどれも同じような性能…と言えます。
こちらは2020年1月11日、冬の断熱材内部の平均温度です。
グラスウール 10.64℃
スタイロフォーム 9.11℃
フェノール 10.04℃
発泡 9.84℃
セルロース 9.65℃
スタイロフォームが最も温度が低く、グラスウールが最も温度が高い結果でしたが、その差は1.53℃。こちらも、どれも同じような性能と言えるのではないでしょうか?
さらに、2019年8月一カ月平均がこちら。
グラスウール 30.61℃
スタイロフォーム 31.43℃
フェノールフォーム 30.64℃
発泡 30.68℃
セルロース 31.65℃
最小値はグラスウールで、最大値はセルロースファイバー、しかしその差は1.04℃
こちらは2020年1月の平均。
グラスウール 10.96℃
スタイロフォームが 9.91℃
フェノールフォーム 10.49℃
セルロースが 10.20℃
発泡ウレタン 10.28℃
最小値がスタイロフォームで、最大値がグラスウール、その差は1.05℃
さらにこちらは、2019年6月から2020年6月までの1年間平均。
グラスウール 20.06℃
スタイロ 19.85℃
フェノールフォーム 19.70℃
発泡 19.71℃
セルロース 20.16℃
最大値がセルロースで、最小値がフェノールフォーム、その差は何と0.46℃。
0.46℃の間に5種類の断熱材年間平均温度が入り込む、まさにどれも同じ状態でした。
これは、400ミリ程度の断熱材厚みでは、断熱材の限界値を超え、外部熱量の大半が、内部まで伝わっているからだと判断しています。
「断熱材はどれも同じ・・・」
弊社が断熱材に疑問を持ち、2008年から簡易的な測定実験を開始し、2014年から実験棟での本格的な測定、2016年からは実際の家でも測定、そして同じ環境での断熱材比較実験を経てたどり着いた答えです。
もちろん、室内が常に一定温度を保つ冷蔵庫のような環境では、断熱材の性能の差が少なからずあらわれると思います。
しかし、24時間換気による室内換気、ドアの開け閉め、降り注ぐ太陽光の影響を受ける「家」の場合、断熱材による断熱性能の差はほとんど現れないと判断しています。
ただし、あくまでも”400ミリ角”のボックス内部の温度データです。
「家」の環境とは違うので、「家」で同じ事が起きるとは限りません。