セルロースファイバー工務店からの問い合わせ
「私はセルロースの湿度を実験で計ってた。セルロースで覆った内部に温湿度計を入れて、湿度を計測した時には、確かにセルロース内部の湿度は、外側よりも低かった。これは、セルロースが湿気を吸収しているからでしょ」
長年工務店を営んだ工務店社長から、この様なご意見をいただきました。
このご意見に対して
「セルロースで覆った内部の空気は、外側空気の影響を受けにくいですよね。他の場所の湿度が、セルロースで覆われた内部に入り込みにくいだけだと思いますよ。本当にセルロースが湿気を吸収しているのなら、重さを計るしか方法は無いと思いますが」
「・・・・、じゃぁ、セルロースは湿気を吸ってないって事?」
「撥水加工をしてる現在のセルロースファイバーは、水に浮くのをご存知ですか?」
「知ってるよ、24時間経っても水に浮いてるから・・・」
「撥水加工により水をほとんど吸収しないのがセルロースファイバーですよね。」
「知ってるとも!!!」
「水って水蒸気と同じですよね」
「エッ・・・・・・・」
「気体か液体の差はあるものの、同じ物質です。水を吸わないのは、水蒸気も吸わない事と同じ事になると思うのですが!」
「エェェェッ・・・でもその、水は吸わないけど、水蒸気は吸うんだよ・・・」
「それなら、重さが変わりますよね。私どもの実験では、ほとんど重さが変化していません。」
「・・・・重さが変わらないくらいの少しの量の水蒸気を吸ってるんだよ!!!」
「そんな些細な量の水蒸気を吸ったとして、調湿してると言えるのでしょうか」
「・・・・・・調湿ではなく、吸ってると言ってるだけで・・・」
「そうですかぁ、私たちは吸ってないと思ってますが!」
こんなやり取りがありました。
工務店社長が測定したのはセルロースファイバーで覆った内部の空気でした。
当然内部と外部の湿度には差が生じます。
外部は室内の湿度の影響を受けます。
セルロースファイバーで覆った内部の空気は、室内湿度の影響を受けにくいので、湿度が下がります。
この差を「セルロースファイバーが湿気を吸収している」と勘違いしたのだと思います。
長年「セルロースファイバーが湿気を吸収している」と言い続けていたので、今さら”セルロースファイバーは湿気を吸わない”とは思いたくなかったのだと思います。
追伸:
弊社の実験に使用したセルロースファイバーは、現在主流となっている撥水加工したセルロースファイバーです。
以前の、”撥水加工無し”のセルロースファイバーではありません。
「撥水加工してないセルロースファイバーなら湿気を吸うんじゃないの?」
はい、確実に湿気を吸い込みます。
ただし、湿気を吸い込むことで、カビが発生し、キノコが発生した物件もありました。
壁内部は青カビがビッシリ!建て替えたと聞いています。
セルロースファイバーが出始めの頃、この様なトラブルが多発した事で、「撥水加工」に至ったのだと判断しています。