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断熱性能対決!温度比較



2020年岐阜県に完成した、当時の断熱等級4、現在の断熱等級7に匹敵する、断熱性能最高レベルの物件と、断熱等級2のAir断大阪モデルハウスを、エアコンを使用しない状態で比較しました。
エアコンを一切使用しないので、性能の差がもろに現れる実験です。

まず、断熱等級7に匹敵する物件のスペックから。
天井断熱に、セルロースファイバー400oを吹き込み。
壁にもセルロースファイバー100oを吹き込み、更に高性能グラスウール100oで付加断熱。
防湿合板、防湿ビニールでしっかり防湿。サイディングまで含めると、壁厚は300oに達します。
基礎は100oスタイロフォームで全周基礎断熱。
更に、樹脂サッシトリプルガラス、内装仕上げは調湿性の高い珪藻土仕上げ。

24時間換気は第1種の熱交換型換気扇。
気密性能、C値0.1を達成した、超高気密住宅。
断熱も、防湿も、調湿も、気密も、これ以上無理!と言うレベルに引き上げ、床下エアコン1台で、夏も冬も快適な環境になる!と言われた物件です。
Air断ではありません。
しかし、夏も冬も、床下エアコンだけで快適にはなりませんでした。
工務店社長から
「最高の断熱材を使用して、完璧に作り上げた。その性能をモニターしたい」
との意向を受けて、様々な場所にセンサーを取り付け。
引き渡し後、24時間、温湿度をモニターしています。

対して断熱等級2、Air断大阪モデルハウスは、
天井にジェル断。
壁は、36oの合板を施工。
床下にもジェル断。
アルミサッシ、ペアガラス!
防湿ビニール一切なし。
基礎断熱も無し。
ビニールクロス仕上げ。
Air断による第3種換気。そしてC値0.38。

断熱等級では5段階下、防湿、調質、気密、全ての面において大きく引けを取るAir断大阪モデルハウス。

どれほどの差が生じたのか?

まずは室内温度比較からご覧いただきます。
両物件共に、エアコンは一切使用していない、6月23日から6月27日で比較しました。

断熱等級7、当時「最強」と言われた物件から。
6月23日、リビング温度は25℃をウロウロ。
6月24日は、1日中25℃を超え、マックス27℃を突破。
6月25日も、1日中26℃を超え、マックス28℃に迫る。
6月26日も、1日中27℃をウロウロ。
6月27日も、1日中27℃をウロウロ。
これが、断熱等級7、断熱最強物件の室内温度。

対して断熱等級2、Air断大阪モデルハウス
6月23日は、20℃近辺をウロウロ。
6月24日は、マックス23.4℃
6月25日は、マックス23.7℃
6月26日は、22℃から23℃をウロウロ
6月27日は、マックス24.5℃

5日間の比較で、断熱等級7、断熱最強物件は、23日以外、25℃を下回る事がありませんでした。
対して断熱等級2、Air断大阪モデルハウスは、5日通して、25℃を上回る事がありませんでした。

これらのデータを見る限り、断熱等級7であっても、室内温度は、断熱等級2、Air断大阪モデルハウスにも劣る断熱性能だと判断出来ます。

こちらのデータは、両物件とも晴天に恵まれた7月7日のデータです。
外部温度は37℃まで上昇。
断熱等級7断熱最強物件は、リビングが28.6℃まで上昇し、11時からエアコンを入れています。もしエアコンを入れて無ければ、30℃を突破していると思います。
対するAir断大阪モデルハウスは、エアコンを入れる事なく、マックス26.4℃までしか上昇しませんでした。

これは、「断熱等級だけで、断熱性能を比較すべきではない!」と言う事に繋がると判断しています。
そして、断熱等級は、高価な断熱材、高価なサッシ、ガラスを使用すれば、簡単に等級を上げる事が可能。しかし断熱等級を上げたとしても、断熱性能が上がるわけでは無い事を、知っておいてください。

もちろん、他の断熱等級7の家では、違う結果に繋がるかもしれません。
しかし、弊社がかねてから「どれだけ高性能の断熱材を使用しても、どれだけ厚みを増しても、断熱性能は変わらない」とお伝えしている通りの結果に繋がっただけに、他の「断熱等級7」の家も、同じ結果だと想定しています。
これらの情報が、これから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。