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【実際に家を3つ建てて、断熱性能を比較してみた】の動画に関する質問の答え

「【実際に家を3つ建てて、断熱性能を比較してみた】

の動画をご存知ですか?
御社の実験結果は矛盾してませんか?
断熱材の種類で性能は違ってくるのが当然だと思いますが」


質問を受けました。動画も確認しています。
以前にも解説しましたが、今回も解説します。

実際に建てた家は、縮尺した家ですよね。
内部住居部分が、幅、奥行き共に53pだと言ってます。
この状態で、
一〇工務店仕様は壁19p   床下14p 天井23.5p
三〇ホームは  壁14p   床下 8p 天井16p
住〇林業は   壁10.5p 床下10p 天井21p
の厚みで実験しています。
住居の幅が、奥行きが53pに縮尺してあるわけなので、壁も縮尺する必要があります。
一般的な住宅を、幅10メートル、奥行き10メートル、30坪程度と仮定すると、縮尺は約19分の1です。(10メートル÷53p≒19)
つまり、壁、床下、天井の断熱材厚みも、19分の1に縮尺する必要があります。

一〇工務店仕様は壁10ミリ  床下7ミリ 天井12ミリ
三〇ホームは  壁7.3ミリ 床下4ミリ 天井 8ミリ
住〇林業は   壁 6ミリ  床下5ミリ 天井11ミリ
に厚みを縮尺して実験する事が必要だと思います。
しかし、グラスウールなどをミリ単位で正確に切り分けるのは難しいです。
そこで、一般的には、出て来た温度データを19分の1に換算します。

10℃差が生じた場合は、19分の1、0.52℃の差が生じた!と判断するのが妥当です。
1℃未満の差は、誤差範囲となるので、「差が生じない」と判断出来ると思います。

仮に模型実験と同じ性能の家を作るには、(幅10メートル、奥行き10メートルの場合)

一〇工務店仕様は壁3m61p 床下2m66p 天井4m46p
三〇ホームは  壁2m66p 床下1m52p 天井3m4p
住〇林業は   壁1m99p 床下1m90p 天井3m99p

の断熱材厚みが必要になります。
不可能とは言いませんが、断熱材費用だけでも1000万円軽く超えると思いますし、構造的な問題もクリアできない可能性があります。


追伸:
断熱材の厚みが同じなら、建物の大きさが、小さくなればなるほど性能が高まり、大きくなればなるほど、断熱性能は下がります。
さらに、通常35坪〜40坪程度の、一般的な家の場合、断熱材の厚みを100ミリにしても、200ミリにしても、ほとんど影響はありません。
理由は、家の大きさ対して、100ミリ、200ミリ断熱材は、あまりにも薄すぎる事です。

断熱材で断熱性能を高めるには限界が来ていると思います。
(断熱材を1m以上厚くすれば別ですが)