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熱伝導率の低い断熱材が、性能が低いなんて・・・

「熱伝導率が低い断熱材が、性能が低いのはおかしい!
 実験が間違えてるんじゃないか?」



と問合せがありましたので、弊社見解をお伝えします。
ベランダ断熱材実験では、400mm角の木箱に断熱材を入れて、その中央に温度センサーを配置してリアルタイム計測しています。
各センサーは、定期的に入れ替え、センサー誤差の確認も行っています。
実験の間違えは無いと考えています。
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熱伝導率の低い断熱材が、性能が低いなんて・・・


また、「熱伝導率」は、断熱材内部の熱の伝わり方を数値化したものです。
低ければ低いほど熱を伝えにくい。
しかし、「熱伝導率」測定環境と、直射日光や冷気の影響を直接受けるベランダ木箱内部では、環境が大きく違います。
もちろん、ベランダ木箱内部の方が、実際の”家”の環境と酷似しています。



さらに、
0.045のグラスウール

0.022のフェノールフォーム
では、2倍以上性能差が生じていますが、
これは、材料単体で計測した場合の、ミクロの数値です。

冷蔵庫やクーラーボックスなど、断熱材で完全密閉された空間なら、このミクロ数値が効果を発揮すると思います。
しかし、家の場合、断熱材の体積比率は4%程度。
冷蔵庫に例えるなら、ドアの一部に断熱材が使用されていて、その他は断熱材が使用されていないような状態。

さらに、24h換気の義務化により、家は常に室内の空気を入れ替えてています。
冷蔵庫に例えるなら、ドアが常に開いているような状態。

さらにさらに、”家”には、日差しを取り入れる”窓”があります。
窓は断熱性能が低く、熱気や冷気の多くが窓から入り込むと言われます。
冷蔵庫に例えるなら、冷蔵庫の10%がビニールで覆われているような状態。

この様な状態で、「断熱材」だけの性能アップで、”家”全体の断熱性能アップは”不可能”だと考えています。

「熱伝導率」は、物質内部の熱の伝わりを数値化しただけにすぎません。(ミクロ的数値)
冷蔵庫等のドアの開け閉めが極端に少ない場所では、ミクロ的数値の効果が発揮されます。
しかし”家”の場合はマクロ的な大空間となるので、ミクロの数値は適応されないと判断しています。