その他

夏季のカビに関して

愛知モデルハウスでは、夏季の“カビ”に悩まされます。
革製品、コート、イグサ系座布団、出入りしない部屋の無垢材フローリング面では、たびたびカビが発生しました。
カビの発生メカニズムは、夏季水蒸気を含んだ空気が室内に入り込み、それを、革製品、コート、イグサ系製品が吸い込んでカビを誘発していると推測しています。

しかし、同じ状態の北海道モデルハウス、東京モデルハウスでは、カビは一度も発生していません。

「湿度が違うのでは?」

北海道も東京モデルも、愛知モデルと変わらない“絶対湿度”であることを確認しています。(夏季20g/㎥程度)

愛知モデルと、北海道、東京モデルとの違いは、吸気の場所です。
愛知モデルは、初期物件だったので、1階天井の様々な場所から吸気を行なっています。
さらに、天井カセットエアコンなので、吸気した空気全てがエアコンを通っているわけではありません。

逆に、北海道、東京モデルハウスでは、エアコン上部だけに吸気口を設け、エアコンで除湿した空気が入り込むように設計しました。
さらに、愛知モデルでは、引き違いサッシを多用しています。
北海道、東京モデルでは、引き違いサッシはありません。
FIX窓や開き戸タイプの窓だけなので、サッシから空気が入り込む事はありません。

さらにもう一つ、愛知モデルには、基礎パッキン部分の不織布がありません。
北海道、東京モデルハウスでは、セットした不織布が、カビ菌を排除していると想定しています。

今季東京モデルには、愛知モデルで毎年カビが発生した『革のカバン』と『革靴』を持ち込み、テストしています。
9月3日時点で、カビは発生していませんでした。
追加検証として、愛知モデルでは、水切り下部の不織布を取り付ける工事を行ない、来年のカビ発生テストをする予定です。
入り込む水蒸気を減らす事は出来ませんが、カビ菌を減らす事が出来れば、同じ湿度でも、カビの発生を抑える事が出来るのでは?と想定しています。

今後も検証を進めて報告します。

掃除した記憶がありません・・・



築7年になるAir断住宅の寝室カーテンレールを撮影しました。
住まい手曰く、「掃除した記憶はない」とのことです。

うっすらとホコリが確認できますが、“築7年掃除していない”とは思えませんよね。
比較的、上部はホコリが溜まりにくく、下の方は上部よりもホコリが溜まります。
(ホコリが溜まると言っても、一般住宅とは比較にならないほどホコリが溜まる量は少ないです)

Air断フィルターはどのように取り換えるの?価格は??

ご質問があったのでお答えします。

幅90センチ、長さ10センチ140円程度の不織布をご用意ください。
下部からフィルターを確認して、汚れていたら、その部分を外し、新しい不織布と取り換えます。
作業的には数分で終了すると思います。


外周部家全体の不織布を取り換えても、4000円程度(35坪程度の大きさ)時間にして30分ほどあれば完了すると思います。

ただし、Air断初期versionには、不織布が採用されていません。
新たに不織布を取り付ける場合、Air断取扱工務店にご相談下さい。

地盤改良って必要だろうか?



東京モデルハウス無断熱材の家が完成して間もなく、設計士吉田が意味深な事を言い出した。

現在、地盤改良の費用は、平均すると150〜160万円が相場。
家が傾かないように、基礎の下で家を支える重要な工事ですが、
本当に必要だろうか?と言い出しました。

家の荷重は35坪の家で80トン前後。
メチャクチャ重いですよね。
しかし、体重70キロの人の方が接地面積的には重い事をご存知でしょうか?

35坪の家の場合、基礎の底面部分は100u程度の大きさ。
つまり1uに換算すると、800キロになります。
対して、70キロ、人の足の裏の平均面積は0.027u。
1uには、37人分の足裏が入ることになります。
37人×70キロ=2,590キロ
つまり、1uあたり2,590キロとなります。
家の荷重1uあたり800キロに対して、3倍以上2,590キロの荷重になるのが、70キロ、人の体重です。

片足で立ったら、0.0135uに70キロ。1uに換算すると、家の6倍以上、5,180キロの荷重が、地面にかかる事になります。
人の足にかかる荷重は、家よりもはるかに重いんですよね。
しかし、片足で立ったからと言って、地盤にめり込むような土地はなかなかありません。
めり込むようであれば、軟弱地盤、地盤改良が必要だと思われます。
つまり、片足で立って、めり込まなければ、地盤沈下する可能性は極めて低い…となります。

しかし、万が一があります。沈下しないとは言い切れません。
そこで、「万が一地盤沈下しても、簡単に沈下修正出来ればよいのでは?」と考えていました。
土台と基礎のあいだに、アジャスターを設け、万が一沈下した場合、アジャスターを回転させて家を持ち上げる・・・
簡単そうですが、実は、これが出来ないんです。
アジャスターを締め付けるボルトは壁の中。つまり壁を壊さなくては、締め付けボルトが出てこない。
締め付けボルトが出てこない限り、アジャスターは回転しない・・・
これが難問でした。
これを解決したのが、インテンショナルロック機能を持ったボルト。
インテンショナルボルトと呼んでいます。


秘密は、アジャスターとインテンショナルボルトの接合部にあります。
現在特許を出願中です。
インテンショナルボルトを締め付けると、アジャスターとインテンショナルボルトが一体化!
土台下部のアジャスターを回せば、インテンショナルボルトが一緒に回転。
壁を壊すことなく、家を少しずつ持ち上げます

もちろん、ホールダウン金物も調節出来るように設計してあります。

2階建までの木造住宅なら、沈下が起きる可能性は極めて小さく、万が一沈下した場合も、簡単に修正が可能。
これにより、150〜160万円かかる地盤改良費用が不要になります。
さらに、基礎立ち上がりを均一にしなくても、ミリ単位で調整出来るので、基礎工事が簡素化できます。
さらに基礎パッキンが不要。
万が一沈下が起きれば、外壁下部を外してアジャスターを回転させるだけで、沈下修正が可能。
コストが下がり不安も軽減出来ます。


問題は、本当に家が持ち上がるのか?

「計算では持ち上がるが、実際に、大阪モデルハウスを建ててみて、実験して見てはどうだろう?」
吉田の発言に、経理が反発。
「この本社も、愛知モデルハウスも残っているのに、追加で北海道と東京モデルハウスを頼み込んだばかり、銀行は無理ですよ」

「これは、建築に革命を起こすかもしれない商品、銀行も理解してくれるはずです。。。。。」

「革命ですよね、あざーす!何とかしま〜〜す・・・・」

「エェェェえええええ〜〜〜〜〜〜っ」

こうして、大阪モデルハウス、インテンショナルボルトを使用した無断熱材の家!プロジェクトが始まりました。

すでに土地購入を終え、順調にいけば年内に完成予定です。
Air断マガジンで、随時報告いたします。

この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」

※カビ
住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


写真の真ん中、高級バッグだけにカビが発生
他の革バッグには、カビの痕跡はありませんでした。
使われている革が”良いのか悪いのか”分かりませんが、とにかく高級バッグにはカビが発生しやすいと思います。

4月からこの状態のままで、高級バッグだけにカビです。
防水スプレーや、革クリームなどで保護が必要かもしれませんね。
ちなみに、他の場所に置いてある高級バッグもカビが発生したそうです。
さらに、高級コートにもカビが発生したそうです。
高級品、特に「革製品」の取り扱いにはご注意が必要です

※虫の入り込み
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この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


引き違いサッシの網戸を、写真の様な状態にしておくと、虫が入り込みます

住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


この写真の網戸が正しい位置です。
網戸を逆にすると、小さな虫がガンガン入りだします。
サッシは、YK〇樹脂サッシ、高気密型ですが、それでも網戸の状態が悪いと、虫が入り込みます。
特にAir断の場合、室内が負圧設計なので、引き違いサッシの場合、空気漏れが発生します
ご注意ください。

住宅検査 ホームリサーチ
この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」

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この時期の注意点。 「カビと虫の入り込み」


開き戸タイプのベランダサッシなどを推奨しています
北海道、東京モデルハウスでは、「引き違いサッシ」を一切使用していません。
さらに、北海道で建設される家にも、引き違いサッシ使用は少ないです。

過乾燥になるメカニズム



過乾燥になるメカニズム
そして、Air断が湿度20%以下でも過乾燥にならないメカニズムを解説します。

「湿度20%以下、過乾燥になってますよね!」

ご質問があったのでお答えします。
湿度20%以下・・・これは、相対湿度を指しています。
一般的な湿度計では、相対湿度が使われ、単位は%で表示されます。
%ですから、“確率”と考えることが出来、“おおよそこれくらい”のような感じで用いられるのが相対湿度です。
ですから、「相対湿度が20%以下だから過乾燥」と、ひとくくりで決められるものではありません
こちらの動画で、温度と相対湿度、そして絶対湿度の関係を説明します。
幅10メートルのプールがあると仮定します。
ここに半分まで水が入っていると仮定します。
つまり50%の水位です。
このプールの幅が、20m、倍に広がったら?
50%の水位は、25%に下がりますよね。
逆に5m、半分に縮まったら?
50%の水位は、100%、満タンに上がりますよね。
この時、水分量は全く変化していません。
プールの大きさに対して、水位が変化してるだけです。
これが、温度、相対湿度、そして絶対湿度の関係です。
プールの大きさが、温度。広がれば温度が高い、縮まれば温度が低い状態。
水位が相対湿度、そして、水分量が絶対湿度です。
プールが広がると水位が下がる、つまり温度が上がると相対湿度が下がる。
プールが縮まると水位が上がる、つまり温度が下がると相対湿度が上がる。
相対湿度は、湿度の上下に左右される少しいい加減な数値
しかし、水分量はプールが広がっても縮まっても変化しない。
つまり絶対湿度は温度の上下では変化しない!数値と言えます。

要するに、正確な空気中の水分量を知るには、絶対湿度を知る事が重要で、
絶対湿度の低下こそが、「過乾燥」と呼ばれる状態だと言われています。
絶対湿度の単位には、%ではなくgが使われます。
こちらが絶対湿度を表示する湿度計です。
上から絶対湿度、単位はg/㎥
真ん中が温度、下が相対湿度、単位は%となります。
絶対湿度は、1㎥の空気中に、何グラムの水蒸気が含まれているか?を表示しているので、
温度の上下に左右される事なく空気中の水蒸気量を把握する事が出来ます。



こちらは、絶対湿度と相対湿度が温度で変化する動画です。

外気温0.5℃、絶対湿度3.8g、そして、湿度76%の室外です。
ここからAir断愛知モデル内部に入ります。

室温がグングン上昇すると共に、相対湿度がグングン下がり始めます。
そして絶対湿度も若干上昇・・・。

最終的に、室温23℃、絶対湿度5.7g、相対湿度28%になりました。
絶対湿度的には、室外で3.8gだったのが、室内に入ると5.7g。2グラム増加。
室内の方が湿度は高い事になります。
相対湿度的には、室外が76%だったのが、室内に入ると28%、室内の方が湿度が圧倒的に低い事になります。
どちらが正しいのでしょうか?
もちろん、湿度を正しく把握するのは、温度に左右されない絶対湿度です。



一般的に室外では、夏場は1㎥25g程度、冬場は5g程度と言われます。
夏の25gと比べると、冬の1㎥5gは5分の1、「少なッ」と思うかもしれませんが、この1㎥5gをあなどってはいけません。
家が気候の影響を受ける範囲を、少なく見積もって1q四方と考えた場合、この1q四方に5000トンの水蒸気が含まれている状態が1㎥5gです。
1㎥に5gと言う水蒸気量は、お風呂の水に例えると25000杯分。
1日1杯としても、65年分の水分量です。家にとって、無尽蔵と言えるほどの水分量を含んでいる事になります。

しかし、最近の高気密住宅では「過乾燥」が問題視されます。
家周辺には、無尽蔵とも言える5000トンの水蒸気がフワフワ浮いているにも関わらず”過乾燥”
これは、高気密化と、エアコン暖房、そしてコールドドラフト現象が原因だと言われています。

高気密住宅では、気密性が高く、空気の循環が妨げられます。
特に冬季は、冷えた壁や窓ガラスに、室内の空気が接触して冷やされます。

空気の循環が悪い高気密住宅では、冷やされた空気は重くなり、壁を伝わって床面に広がり、冷たい層を形成します。
これがコールドドラフト現象。
この壁や、床面に広がった冷たい空気の層は、エアコンが放出する暖気と反発し、暖気を寄せ付けません。冷たい空気と暖かい空気は混ざり合わない事が原因。
暖気が寄り付かない壁や窓ガラスは、外気と同じ温度まで徹底的に冷やされます。
この外気と同じ温度に冷やされた壁や窓ガラスに、室内の水蒸気が接触。
暖かい空気は、冷たい空気と反発しますが、暖かい空気に含まれている水蒸気は、反発する事なく冷たい部分に突撃。
結露して水へと変化します。
床や絨毯、木材などは、結露した水分を吸収。
水分を吸収できない窓ガラスなどでは、目視できるほど大量の水分が発生します。

一般的なエアコンで暖められた空気は、50℃前後で噴き出してきます。
そして、50℃前後の空気は、16℃以下の物質に接触すると”結露”を起こします。
コールドドラフトで冷やされた、壁、床、に接触して瞬間に結露。
これらの物質表面で結露した水分は、それぞれの物質が瞬く間に吸収。

水分を吸収しないアルミサッシやガラス表面では、結露による水滴が発生し、冬季貴重な空気中の水蒸気が失われます

水蒸気を失った空気を、もう一度エアコンが吸い込み、50℃前後に加熱して放出。
そしてコールドドラフトで冷やされた16℃以下の物質に接触して結露・・・これが繰り返される事で、空気中の水分をカラカラになるまで搾り取ります。

1㎥5gの水蒸気を含んでいた空気は、エアコン暖房1時間後には4g、2時間後には3グラムと目減りし5〜6時間後には1gを割り込む、まさにカラカラ乾燥状態、
これが高気密住宅の「過乾燥」メカニズムと言われています。



Air断住宅では、1時間に1200㎥、通常24時間換気の20倍程度の空気を外部から取り入れています。
外気の絶対湿度が1㎥5gだとしたら、どれだけエアコン暖房を行なっても、1㎥5gが目減りする事はありません。
何時間後も、外気と同じ5gをキープするのがAir断住宅です。
理由は、コールドドラフトが発生しないから!
壁や窓ガラスで発生する冷たい空気を、壁に取り付けたファンが真っ先に通気層へと吸い出します。さらに、通気層を流れる空気が、外部から伝わる冷気や暖気も押し返します。
コールドドラフトの発生が少ないAir断住宅では、一番冷たくなる窓ガラスやサッシでも20℃前後。だから、空気中の水蒸気が結露して失われる事がありません。
同じ空気を何度も何度も暖める“高気密住宅”ではなく、コールドドラフトの発生を抑え、常に新鮮な空気を暖める“Air断住宅”だけが、エアコン暖房でも過乾燥になりにくい特徴を持ちます

これらの理由から、

「湿度20%以下だから過乾燥」
とは言えないのです。

ただし、Air断住宅で加湿器を使用しても、湿度はほとんど増加する事はありません。
これは、室外で加湿器を使用しているようなものだからです。
つまり、草原のような環境を、室内で作り出しているからです。

弊社の見解が正しいとは言い切れませんが、愛知、北海道、東京モデルデータを検証する限り、正しいと判断しています。