その他

通気層結露リスク

「室内の空気を通気層に出したら、室内の湿気が通気層に排出される事になる。余計に結露が発生する」

と言うご意見をいただきましたが、Air断住宅に取り付けた結露センサーが、結露を計測した事はありません。
またファイバースコープで通気層を確認しましたが、濡れた痕跡も確認出来ませんでした。

”結露”は空気の対流が発生している場所では”発生しにくい”事が知られています。
通気層に大量の室内空気を送り込む”Air断”住宅では、通気層に結露が発生するリスクが極めて少ないと判断しています。



「室内の湿気が通気層に送られたら結露が増加する」

と考えがちですが、現実では「結露が発生しにくい環境」になっていると判断しています。

ロックウールの冬の性能

「冬最も性能が高い断熱材はロックウールのはず」
と、北海道の工務店から指摘を受けました。
住宅検査 ホームリサーチ
ロックウールの冬の性能


そこで、2Fベランダ木箱実験に、ロックウールを追加して計測を開始。

1.グラスウール400mm
2.フェノールフォーム400mm
3.セルロースファイバー400mm
4.スタイロフォーム400mm
5.発泡ウレタン400mm
に加えて
6.ロックウール400mm
を本日から計測中。


性能順に
1位.グラスウール
2位.フェノールフォーム
3位.発泡ウレタン
4位.ロックウール
5位.セルロースファイバー
6位.スタイロフォーム
となってます。

住宅検査 ホームリサーチ
ロックウールの冬の性能


1位2位は頭一つリード
3位〜5位はほぼ拮抗
6位は頭一つ低下

こんな感じです。
今後も計測を続けて報告しますが、ロックウールが「寒さに対して性能が高い」とは判断できません。

過乾燥に関して

「エアコン暖房は過乾燥になる」

とご意見を受けましたが、Air断住宅では、「過乾燥」になりにくい事をご説明します。

冬のAir断住宅の相対湿度は20%台を推移します。
これは、エアコンを主とした暖房時に、「相対湿度計」が示す「相対湿度」です。
「乾燥してる」と思いますが、実際のAir断住宅では「乾燥」を感じる事はあまりありません。

この現象は、「相対湿度」と「絶対湿度」の違いによるものです。
一般的な高気密高断熱住宅で、「エアコン」を主とした暖房を行うと、同じ空気が何度も温められ、「相対湿度」と同時に「絶対湿度」も減少します。
(空気中の水分が、室内の衣類や家具、木部、壁、等に吸い取られて過乾燥状態になるそうです。気密性が高いホテルなどの24Hエアコン暖房では、超過乾燥状態となり、加湿器がないと喉を痛める事になるそうです。)
「相対湿度」とは、温度と関係のある湿度!と言う意味で、温度の上下により湿度が変化します。
つまり、絶対的な空気中の湿度の量ではありません。
これに対して「絶対湿度」とは、空気中に含まれる水分量です。
gmで表示され、温度の上下で絶対湿度は変化しません。

Air断住宅では、真冬でも1時間に1,000㎥の空気を室内に取り入れています。
常に新鮮な外部の空気を取り入れているので、「過乾燥」状態にはなりにくいのが現状です。
20%台の「相対湿度計」表示を見て、驚くかもしれませんが、実際の「絶対湿度」は外部の湿度と変わらぬ湿度を保っていることをご理解下さい。

負圧効果

「無菌室のような効果が得られます」は本当か?

ご質問がありましたのでお答えします。

無菌室の考え方は、患者から発生する菌をいち早く外に排出する事!だそうです。
部屋の空気を吸い出すことで、発生する菌が着床したり人に付着する可能性を小さくする事を目的としています。

人が大勢集まる映画館なども、負圧設計が基本になっています。

Air断は、各部屋のファンが一斉に動くことで、家内部を負圧にし、カビ菌などが付着しにくい構造になっています。
こちらの画像は、無添加の食パンをAir断住宅と、一般住宅に放置した時のカビの発生具合です。
住宅検査 ホームリサーチ
一般住宅の無添加食パン カビが大量

住宅検査 ホームリサーチ
Air断住宅の無添加食パン 一部カビ 


どちらも購入から1週間経過した状態です。

もちろん、カビの発生が少ない方がAir断住宅です。
これだけで「無菌室と同じような効果」とは言えませんが、効果はあると判断しています。

「6℃の温度差って本当?」

「6℃の温度差って本当?」

ご質問を受けたので、詳しく説明します。
測定場所は下図の部分。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


測定日時は2019年8月10日11時のデータを参照。
Air断住宅31.7℃
一般住宅37.9℃
その差6.2℃を記録しています。
その時のグラフがこちらです。
住宅検査 ホームリサーチ
「6℃の温度差って本当?」


青色が一般住宅
肌色がAir断住宅の壁内温度センサー値です。
通気層の対流が、外部から入り込む熱を遮断していると考えています。

床下に入れた炭に白カビ

「床下に入れる”炭”が床下の湿気を吸う」

と言われて、床下一面に炭を入れた住宅でトラブル発生。

炭は、湿気をほとんど吸わないと言われています。
また、夏の床下は、最も温度が低い場所です。
夏の温かい湿った空気が、床下のコンクリート面に接触して結露する危険な場所です。
その床下に、”炭”を入れると、逆に空気の流れが悪くなり、大量の結露が発生します。
この結露により、
1.床下に入れた炭全体に、白カビが発生し異臭を放つ。
2.結露によりプールのような状態となり、コバエが大量発生。
このようなトラブルが報告されています。
床下には出来る限り何も置かず、空気が通りやすい環境にすることが重要です。