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「床下に熱は無い」教授達の鋭い指摘

「床下に熱は無い!」

と言って、〇Mソーラー開発に携わった大学教授が訪ねてきました。
現在大学を退職して、年金生活を満喫しているそうですが、「Air断」の仕組みを耳にして、”意義あり”的な訪問でした。
紹介者を介して、2名の”元教授”が参上。

30年ほど前、〇Mソーラー開発時に、様々な地点の温度を計測。
地表面下5m付近には、”年中変わらない20度前後の温度層”がある事は理解していましたが、地表面に温度は無かった!と言うのが教授達の見解。
計測した地点は100か所を超えたそうです。

「どんな地点でも夏は暑く冬は氷点下まで下がるのが地表面温度!
床下に熱があるとは考えられない!」
笑顔で持論を展開!
「なぜ床下に熱があるのか?それは暖房熱が床下に逃げているだけ!」
と言うのが教授達の意見でした。

現地を視察そして、こちらのデータで、その持論が間違えている事に気付きます。
住宅検査 ホームリサーチ
「床下に熱は無い」教授達の鋭い指摘


2016年2月9日〜11日まで、出張の為家を留守にした際、エアコン暖房を完全に停止させた時のデータです。
室内温度は10度まで低下していますが、床下の温度は14度で推移。
「暖房熱が床下に逃げている」は完全に間違えている事を示していました。

「なら、この熱はどこから?」

「教授たちは100か所以上の地表面温度を計測したんですよね」

「そうだよ、この温度センサーより正確な温度計を使って」

「それは全て地表面温度ですよね」

「当然・・・」

「今見てる床下の温度は、建物が建った状態の温度ですよ」

「エッ・・・・


  アッ・・・・


    家が断熱って事ッ・・・」

「冬温度が下がらないのは、家自体が断熱となって、基礎下地盤の温度低下を抑えているって事じゃないですか?夏はその逆が起きてて、熱が上がらない・・・」

「あ〜そうかぁ、家が建った状態で計った事は無かった、あ〜そうかぁ、家が断熱してたんだ・・・気付かなかったぁ、これ凄い大発見だよっ。そうかぁ、納得、全て納得。」

笑顔で帰って行かれました。

が、

実は私たちも”なぜ床下に温度があるのか?”詳しい原理は分かっていませんでした。
※畑の真ん中に建ったような一軒家では、冬の床下温度が低い。
※住宅密集地では、冬の床下温度が高い。
※大きな建物では、冬の床下温度が高く、小さな建物では温度が低い。

これらの計測結果に、正しい答えを見いだせていませんでした。
しかし、教授たちの鋭い指摘のお陰で、「家が断熱している」と言う事に気付かせていただきました。
これにより、建物の大きさ、周辺環境により床下温度を推測できる事にもつながりました。

教授達には心から感謝しています。ありがとうございました。
今後もよろしくお願い申し上げます。
※(数年前の実話です)

グラスウールとスタイロフォームの比較データ

グラスウールとスタイロフォームの
ベランダ木箱比較実験データ
※ベランダ木箱実験なので、実際の”家”で同じ結果が出るとは限りません
1月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


2月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


3月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


4月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


6月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


7月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


8月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


11月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ


12月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとスタイロフォームの比較データ



スタイロフォームは直射日光に弱い事が判明。
さらに冷気にも弱いです。

グラスウールとセルロースファイバー比較データ

グラスウールとセルロースファイバー
ベランダ木箱比較実験データ
※ベランダ木箱実験なので、実際の”家”で同じ結果が出るとは限りません
1月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


2月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


3月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


4月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


6月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


7月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


8月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


11月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ


12月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとセルロースファイバー比較データ



セルロースファイバーよりも、グラスウール断熱材の方が温度変化が低い、つまり断熱性能が高い事がグラフから読み取れます。
(同一スレッドに9枚までの写真しか掲示できないので、5月、9月、10月のデータを割愛してあります)

グラスウールとフェノールフォーム比較データ

グラスウールとフェノールフォーム
ベランダ木箱比較実験データ
※ベランダ木箱実験なので、実際の”家”で同じ結果が出るとは限りません
6月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


7月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


8月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


9月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


10月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


11月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


12月
住宅検査 ホームリサーチ
グラスウールとフェノールフォーム比較データ


1月~5月は次回掲載します。
熱伝導率が最も低いと言われる断熱材と比較しても、グラスウール断熱材がほぼ変わらない温度推移、夏場はグラスウール断熱材の方が温度が上がらない事がグラフから読み取れます。

熱伝導率の低い断熱材が、性能が低いなんて・・・

「熱伝導率が低い断熱材が、性能が低いのはおかしい!
 実験が間違えてるんじゃないか?」



と問合せがありましたので、弊社見解をお伝えします。
ベランダ断熱材実験では、400mm角の木箱に断熱材を入れて、その中央に温度センサーを配置してリアルタイム計測しています。
各センサーは、定期的に入れ替え、センサー誤差の確認も行っています。
実験の間違えは無いと考えています。
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熱伝導率の低い断熱材が、性能が低いなんて・・・


また、「熱伝導率」は、断熱材内部の熱の伝わり方を数値化したものです。
低ければ低いほど熱を伝えにくい。
しかし、「熱伝導率」測定環境と、直射日光や冷気の影響を直接受けるベランダ木箱内部では、環境が大きく違います。
もちろん、ベランダ木箱内部の方が、実際の”家”の環境と酷似しています。



さらに、
0.045のグラスウール

0.022のフェノールフォーム
では、2倍以上性能差が生じていますが、
これは、材料単体で計測した場合の、ミクロの数値です。

冷蔵庫やクーラーボックスなど、断熱材で完全密閉された空間なら、このミクロ数値が効果を発揮すると思います。
しかし、家の場合、断熱材の体積比率は4%程度。
冷蔵庫に例えるなら、ドアの一部に断熱材が使用されていて、その他は断熱材が使用されていないような状態。

さらに、24h換気の義務化により、家は常に室内の空気を入れ替えてています。
冷蔵庫に例えるなら、ドアが常に開いているような状態。

さらにさらに、”家”には、日差しを取り入れる”窓”があります。
窓は断熱性能が低く、熱気や冷気の多くが窓から入り込むと言われます。
冷蔵庫に例えるなら、冷蔵庫の10%がビニールで覆われているような状態。

この様な状態で、「断熱材」だけの性能アップで、”家”全体の断熱性能アップは”不可能”だと考えています。

「熱伝導率」は、物質内部の熱の伝わりを数値化しただけにすぎません。(ミクロ的数値)
冷蔵庫等のドアの開け閉めが極端に少ない場所では、ミクロ的数値の効果が発揮されます。
しかし”家”の場合はマクロ的な大空間となるので、ミクロの数値は適応されないと判断しています。

レンガ、石サイディングのリスク

「レンガや石を貼り付けたサイディングで、カビによる腐食が発せしやすい」

と言った報告が以前からありました。
結露による”カビや腐食”だと推測していました。

仮説メカニズムは以下です。

1.レンガや石は”比熱”が低く、サイディングよりも暖まりやすく冷めやすい特性があります。
2.日が沈むと、レンガや石は、温度を急速に失います。
  「結露は冷たい側で発生する」
3.この原則から、冷えたレンガや石で結露が発生。
4.表面は風などで乾燥しますが、通気層側は通気が悪く乾燥しにくい。
5.よって、いつまでも結露水が停滞する。
6.また隣接する構造用合板も温度が低下し、結露が発生する。
7.構造用合板は”木材”なので、発生した結露水で腐食し始める。
 (2×4物件や、枠組み軸工法を採用した物件で、この様なトラブル報告が多発していました。)


今回仮説を裏付けるデータが記録されたのでご紹介します。
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レンガ、石サイディングのリスク


こちらはAir断住宅で初めてレンガサイディングを採用した物件です。

2019年10月12日引き渡し
青のマークは、壁内の水分を検知した事を示しています。
引き渡し後ほぼ連日、壁内で結露が発生している事を示していました。
こちらが記録された結露センサーの水分値です。
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レンガ、石サイディングのリスク


色別に設置された箇所のセンサーが反応しています。
「雨漏りでは?」
との意見もあるでしょうが、この日雨は一滴も降っていません。
確実に結露だと断定出来ます。

タイルや石貼り付けたサイディングは、とてもカッコいいですが、結露リスクがある事を理解しておくべきです。
(カビや藻が発生し、それを食べる虫が発生し、その虫を食べるコウモリなどが住み着いた例もあります)

もちろん、Air断住宅であれば、結露リスクが高まると、自動で通気層に空気を送り込み乾燥させるので安心です。