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調湿性能比較

グラスウール断熱材の家と
セルロース断熱材の家とを湿度データで比較しました。


「夏に水分を吸って、冬に吐き出す」
「呼吸する家」
と言った表現を聞きます。

1.こんな事が本当に出来るのか?
2.壁の中の断熱材が、大量の水蒸気を吸収できるのだろうか?
3.水分を吸収する事は【湿気る事】と同じ事。大丈夫なのだろうか?
4.夏に吸収した水分を、数か月後冬に吐き出す場合、汚染された状態ではないのだろうか?
5.家の体積の5%程度しかない断熱材が、家の水蒸気を吸収するのだろうか?

下記グラフは、グラスウール断熱材 7月2日リビング湿度データ
最高湿度は57.8%
住宅検査 ホームリサーチ
調湿性能比較


下記グラフはセルロース断熱材 7月2日 リビング湿度データ
最高湿度は76.9%
住宅検査 ホームリサーチ
調湿性能比較


セルロース断熱材を使った家の方が、明らかに湿度が高い状態です。
壁の中のセルロース断熱材が、部屋の湿度を調節している、つまり湿度を下げているとは思えません。
(両物件はさほど離れていません)
次回は平均的湿度で比較します。

床下で結露、そして青カビ

床下に大量の結露!そしてカビ

新築直後の床下湿度は、常に90%以上でした。
床下ファンが頻繁に動いていました。
2年目に入ると、床下湿度は下がりました。(コンクリート水分が抜けたと思っていました。)
3年目は床下湿度が50%以下になり、床下ファンもあまり動かなくなっていました。
そんな3年目の7月、オーナーが異臭に気付き、床下を確認すると一面結露していました!

このときの床下湿度は45%以下!
決して結露するような湿度ではありません。
床下の温度と湿度から露点計算しても、結露しない温度と湿度でした。

ところが、外気温湿度と床下温湿度で再計算すると、露点をはるかに超えた結露状態。
床下は結露することで湿度が下がった状態でした。
(床下湿度だけで露点を判断しては駄目でした)

この結果から、床下湿度で判断するのではなく、全てのセンサー値から露点計算するプログラムに変更しました。

またこの頃、タンスの裏に青カビが発生。
床下に発生した結露水の上を通って、室内に取り込まれた空気は大量の湿気を帯びていたのだと思います。
更に、オーナー自ら、床下ファンの動きを「あまり動かない」設定に変更していたことも、結露につながった原因でした。
3年目に入り、床下コンクリートの水分も抜けきったと判断して、「あまり動かない」設定に変更したほうです。太陽光発電によるゼロエネルギーを目指していたらしく、少しでも電力をカットすることに注力した結果でした。

床下ファンは30wh程度です。1日8時間動いた場合でも1ヶ月190円程度。

逆に、タンスの買い替えやカビの除去費用に数万円かかったことを考えると、ファンを動かした方がはるかに安いと思います。
(シロアリ被害につながるリスクもあります。床下ファンは頻繁に動くように設定して下さい)
海に近い物件で、湿度が高いことも結露の原因だったと思います。

追伸:
床下ファンは、結露が発生する前に動き出す設定になっています。
変更する場合は、取扱工務店にご相談くささい。

放射冷却による結露


説明しにくい部分ですが、頑張って説明してみます。

放射冷却による結露とは、屋根材壁材が温度を失った時に起きます。
車が結露でビッシリ濡れている経験がありませんか?
金属は冷えやすいので、風のない晴れた日は温度を急激に失います。

しかし、空気は放射冷却しません。(厳密には違いますが)
空気の温度は変わらず、車だけが熱を失うので、冷たくなった車に結露が発生。
これと同じことが家でも起きています。

屋根材も壁材の裏表で結露が発生。
裏側は対流が起きないので、乾きにくいのが特徴。
カビの発生や腐食につながります。
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(動画でも分かりにくいかもしれません。)
結露は必ず冷たい側で発生します。
そして、湿度が高ければ、1度の温度差でも結露するそうです。
結露を抑えるには、
1.湿度を下げるか
2.温度差を少なくするか
3.風で吹き飛ばすか!
の3択

1.の湿度コントロールはとても難しい選択です。
2.の温度差を無くす!も難しい…。
3.は比較的簡単。
Air断は、3の「風で吹き飛ばす」を採用しています。
結露発生をセンサー値から計算し、危険が高まるとファンを自動で動かします。

「放射冷却ってものがあるんだ!
 それによって結露するんだ!
 その結露は風で吹き飛ばすのが効果的なんだ!」
程度にご理解いただけると幸いです。

若干違っているかもしれませんが、違っていた場合は訂正します。

小屋裏は夏熱く冬冷たい


動画は2017年1月の
床下温度

小屋裏温度

推移動画です。

1日ずつ切り替わります。
床下温度に比べて、小屋裏温度は2度まで下がってる日もあります。
基礎断熱よりも、小屋裏、特に天井断熱に力を入れるほうが得策だと判断出来ると思います。

マイナス21度の断熱材


断熱材は冷凍庫に保管されマイナス21度に冷やされています。
温度計の上表示が断熱材の内部の温度。
温度計下の表示は室内の温度。

この断熱材の温度マイナス21度が、何時間で室内温度に近づくのか?を検証。
このときの時間が、断熱材が熱を伝える時間と考えられます。
断熱材の大きさは400mm×300mm×150mm。
そのど真ん中に温度センサー。

結果は1時間で40度上昇しました。
30分頃までは、1分1度近く上昇していました。
温度差が大きいと、伝わる速度も速い事が分かります。
そして、意外にも早く熱を伝えている事も分かります。

この結果を踏まえると、断熱材の性能が、「家の断熱性能」を高めるとは考えにくいですよね。
(クーラーボックスの場合、断熱材の体積がクーラーボックス体積の41%を占めます。
 一般的住宅の場合、家の体積の5%未満しか断熱材の体積はありません。
 5%未満の断熱材で、家全体の断熱性能を高める事は難しいと考えます。
 クーラーボックス並みに断熱性能を高めるには、壁の厚みを80pにする必要があります。
 隣地境界線をオーバーするので、現実的ではありません)

土中5メートル

土中4メートル温度

地盤下には”恒温層”と呼ばれる「低温温度層」があると言われています。
この低温温度層は、地盤下5メートル〜200メートルの間に広がっていて、年中20度前後の温度をキープしているそうです。

「本当だろうか?」

実際に地盤下5メートルに温湿度センサーを沈めて、温度を測定しました。
データはこちらからご覧ください。
(閲覧にはパスワードが必要です。取り扱い工務店にお問い合わせください)
2018年2月25日から3月4日をご覧ください。
土中400p
土中500p
をクリックして「表示反転」をクリックするとデータが表示されます。

深夜0度を下回る外気温度でも、土中には18度前後の温度が広がっていることが分かります。
(現在この温度センサーは水没して計測不可能になっています。7月5日以降、防水型温度センサーに取り換える予定です)
この「恒温温度層」を上手に活用する事こそ、エコな家づくりにつながると思います。