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熱交換換気扇とは

熱交換換気線とは?

空気の入れ替えの際、冷暖房熱は捨てずに、空気だけ入れ替える換気扇です。
仕組みは単純です。

1.暖房した室内の空気を外に排出する時に、「熱交換素子」と呼ばれるフィルターを通ります。
2.このフィルターが室内の暖房熱で温まります。
3.外から入り込む空気は、上記フィルターを通って入り込むので、熱を奪って室内に入り込みます。

1〜3がループすることで、「熱交換」が進み、エコな換気が可能になると言われています。

問題点!
1.熱交換素子を通り抜けるには、強力な風量が必要。
 熱を吸収する為には、細かなフィルターを通す必要があります。
 細かなフィルターを通るには、大きな風量が必要になります。
2.春、秋、夏の夜は、効果が少ない
 温度差が少ない場合は、熱交換する意味がありません。
 春、秋、夏の夜間は、室内と室外の温度差が5度未満。
 温度差が少ないと、熱の移動は少なくなります。
3.目詰まりが発生して効果が落ちやすい
 強力に吸い込み、協力に吐き出すので目詰まりが発生します。
 虫も吸い込んでしまうほど強力に吸い込むので、目詰まりは必死。
4.熱交換素子の交換費用
 数年後には熱交換素子の取替が必要になります。
 (フィルターの奥深くまで汚れが浸透するので)
5.費用対効果が微妙
 熱交換が不要な時期も、24時間換気として使用する場合、強力な風量が仇となります。
 フィルター清掃、交換費用が発生します。
 
※外気温度の低いエリアでは効果があると思いますが、それ以外のエリアでは効果があるとは言いにくいと判断しています。
(外気温度がマイナスになるエリア)

3年目のフィルター

写真は、Air断住宅床下吸気部分です。
2018年7月4日の写真です。
丸3年経過した状態ですが、ほとんどゴミや汚れは付着していません。
住宅検査 ホームリサーチ
3年目のフィルター


理由!
1.「吸い込む力が圧倒的に弱い」
2.「ホコリやゴミを吸い込む力がない」
3.「基礎全体からユックリと吸い上げるから静電気が発生しにくい」


などが、ホコリが付着しない理由だと思います。
※ホコリが付着しないから、吸塵力が変わらない!

一般的換気扇は、急激に空気を吸い込むので、ゴミもホコリも同時に吸い込みます。
また、空気とフィルターとの摩擦で、静電気が発生し、ホコリが付着しやすくなります。
(虫も吸い込んでしまうほど強力な吸塵力なので、最低でも1年に1度はフィルターの掃除が必要です。)

気密が高いと!動かない。可視化


気密が高い状態と低い状態を可視化しました。
満タンと、4分の3まで水を入れたボトルで実験。
見るまでもなく、4分の3ボトルの方が激しく動いています。
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家でも同じような事が起きているのだと想定しています。
「エアコンの効きが悪い!」
のは、エアコン冷暖房が動きにくい状態になっているのでは?と推測しています。

高気密のデメリット


お風呂は、混ぜれば全体が温まりますよね。
混ぜなければ、上だけ暑く下は冷たいまま!
なんて経験ありませんか?

しかし、波打つ隙間もなく、蓋がピッタリと閉じられていたら?
混ざりにくくなります。

空気も同じでは無いでしょうか?
高気密にすればするほど、対流が起きにくい。
全体が混ざることなく、一部分だけが温度を高め、それが繰り返される。

結果寒暖差が激しくなり、異常な底冷えを感じてしまう!
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動画はイメージです。
しかし、高気密住宅で言われる「底冷え」現象は、このようなイメージを想定すれば納得できます。
【気密性は高い方が良い】とは言い切れないと判断しています。
コンセントや照明、床と壁の収まりを注意するだけで、気密性は大幅にアップします。その上で、空気が対流する仕組みが必要だと判断しています。

床下結露発生時の湿度

湿度が高いから結露する?

グラフは、昨年7月、床下結露が発生した住宅の床下湿度です。
住宅検査 ホームリサーチ
床下結露発生時の湿度


湿度60%前後!
決して高いとは言えません。
しかし、床下一面で結露水が発生していました。

結露は、「湿度が高いから!」
ではなく、湿度の高い周辺の空気と接触する事で発生します。
グラフは、同じ日の室外湿度。
住宅検査 ホームリサーチ
床下結露発生時の湿度


湿度99%まで上昇している時間が9時間以上。

外部の湿度が、床下に入り込んで結露したと考えられます。

この結露を防ぐには3つ
1.湿度を下げる。(外部湿度を下げるのはホボ不可能)
2.温度差を無くす。(基礎コンクリートは、夏一番冷たい場所。コンクリートの温度を上げれば結露はしない。しかしこれもホボ不可能)
3.風で吹き飛ばす。

3番の「風で吹き飛ばす」が最も安価で効果的です。
Air断では、各所に取り付けられたセンサー値を読み取り、「結露リスクが高い」と判断すると、床下のファンを作動させ、結露を抑制しています。

追伸:
この物件は築3年となり、「床下の湿度も低下した」事を確認して、床下ファンの動作を「動きにくい」設定に変更していました。
オーナー自ら”設定変更”を行ったようです。
「床下湿度が下がったのだから、ファンを動かしてももったいない」
と判断し、床下ファンの動きを「ほぼ動かない」設定に変更。

その直後”異臭”に気付き、床下点検を行うと大量の結露水が溜まっていました。
結露水による”カビ臭”のようなにおいが、室内に漂っていました。(Air断は床下の空気を吸い上げるので、床下に異変が起きれば臭いに現れます。)

ファンを通常運転に切り替えると、3日ほどで床下結露水は消え、同時に”カビ臭”も消えました。
しかし、”カビ”は消えていないので、消毒や清掃料金が必要になります。

一般住宅の場合、結露が発生しても気付くことはありません。
また、結露水を吹き飛ばすファンも付けられていません。
注意が必要だと思います。

遮熱断熱材測定データ

こちらが遮熱断熱材で包んだクーラーボックス測定データです。
「クーラーボックス」
をクリックすると、クーラーボックス内部の温度湿度が表示されます。
2016年から計測しています。