断熱材性能テスト

「真空断熱材なら効果あるんじゃ?」



「真空断熱材なら効果あるんじゃ?」

「真空断熱材でも熱は伝わります・・・」

「真空断熱材をご存知ですか?
真空断熱ボトル”サーモス”は、24時間経っても冷めないそうです。真空断熱材を使えば、エアコンなど使用しなくても快適な家が出来るのではないでしょうか?」

ご質問がありました。
真空断熱材、存じ上げております。
高性能断熱材の熱伝導率が、0.02w/mkに対して、0.002w/mk
一桁違う、まさにけた違いの断熱性能を持つ断熱材です。

ただし、真空部分の熱伝導率です。
周辺、そして、表面からは熱が伝わります。
(真空断熱材の部分は熱を通さないが、それを包み込むステンレス部分は熱を素早く通す。これをCGで表現。)

真空断熱材”サーモス”も、真空でない部分から熱は伝わります。
こちらが、真空断熱材サーモスを、日の当たる場所に放置して、内部の温度変化を測定したグラフです。
(真空断熱材サーモスがベランダに置かれている状態を撮影して表示、グラフも表示)
薄茶色が真空断熱材サーモス内部の温度、青色が外気温度です。

8月25日がこちら・・・
外気温度の上下に連動して、真空断熱材サーモス内部温度も上下しています。決して真空断熱材サーモス内部温度が、外気温度の影響を受けていないわけではありません。ほぼ、リアルタイムに外気温度の影響を受けています。
8月26日がこちら・・・
8月27日は、最高温度が56.2℃を記録
そして翌日8月28日は最高温度57℃を達成。
真空断熱材と言えども、熱は伝わる事が見て取れると思います。

「24時間経ってもお湯が冷めない」

水は、身近な物質の中で最も熱しにくく冷めにくい物質です。
それが気密性の高い、真空断熱材のポット目一杯に入っていたら、熱が逃げにくいので、さらに冷めにくくなります。
家の場合、家の中にお湯をたっぷり入れるわけではありませんよね。
家の中にあるのは、空気です。
そして、空気は、身近な物質の中で最も熱しやすく冷めやすい物質です。

サーモスの様な、気密性能が極端に高いポットでも、内部が空気だったら、外気の影響を受けて温度が上下するのですから、気密性能が悪い家の場合、どれだけ高性能な真空断熱材を使用しても、効果は無いと判断します。

真空断熱材は、真空の部分は熱を通すことはありません。
しかし、それを取り囲む金属が熱を通します。
真空断熱材、蓄熱断熱材、高性能断熱材、どれも、素材で熱を遮断する仕組みですが、熱が消えてなくなるワケではなく、結局、熱は伝わります。
素材ではなく、対流で熱が流れる方向を変えるAir断が、現時点では最も断熱性能が高いと判断しています。

魔法瓶実験を追加!

「魔法瓶実験データが無いけど!」とご指摘を頂きました。
一定期間測定を終えたので、取りやめていましたが、アンコールを受け、
7月25日から再開しています。
今回は魔法瓶ではなく、写真の電気ポットで測定しています。
(電源は入っていません)
住宅検査 ホームリサーチ
魔法瓶実験を追加!


住宅検査 ホームリサーチ
魔法瓶実験を追加!


7月26日のデータでは、外気温度38℃時に、48℃まで上昇しています。
外気温度の低下と共に、電気ポット内部温度も急低下。
「断熱性能が高いポット」と書かれていましたが、以前の魔法瓶同様
あまり変化はありません。
1年間測定し、新型電気ポットや、高性能魔法瓶が出たら、交換して測定を続ける予定です。

「なぜ外気温度よりも、電気ポット内部温度が上昇するんだ?」
太陽光が直接照り付ける事で、電気ポット外側が50℃近くまで上昇します。
この太陽光の影響を受けて、内部温度も上昇していると推測しています。

アルミ遮熱断熱材実験

「以前のアルミ遮熱断熱材実験は、住宅で使用してる遮熱断熱材ではない!実験がオカシイ」
とご指摘を受けましたので、新たに取り寄せて、7月27日より計測を開始しました。
動画のように、発泡クーラーボックス内に温度センサーを入れ、アルミ遮熱断熱材で2重に覆いました。
部分的に5重になっている部分もあります。


さらにこの発泡クーラーボックスを、クーラーボックスに入れて東面ベランダに放置。

住宅検査 ホームリサーチ
アルミ遮熱材断熱材が入ったクーラーボックス


超高気密、そして超高断熱、さらにアルミ遮熱断熱材による熱の反射まで行なっている、特製クーラーボックスをベランダに配置。
こちらがその特製クーラーボックス内部温度データです。
住宅検査 ホームリサーチ
7月28日アルミ遮熱断熱材温度データ


前回の実験データとほとんど変わっていません。
外気温度の上昇と同時に、内部温度も上昇し、外気温度の下降と同時に、内部温度も下降・・・。


断熱気密性の高いクーラーボックス内部に、さらにアルミ遮熱断熱材でグルグル巻きにした発泡クーラーボックス内部の温度センサーが、太陽光や外部温度の影響を受けて、ほぼ同時に温度が急上昇したり、下がったりしています。

圧倒的な気密性能、そして断熱性能を持ったクーラーボックスでも、内部温度は外気の影響を受けて上下する事が分かると思います。

アルミ遮熱断熱材を、家で利用しても、あまり意味が無いと理解できるのではないでしょうか?
しかも、家の場合、24時間換気の義務化により、家内部の空気を入れ替える必要があるので、特製クーラーボックスの様な「高気密」状態を作る事は出来ません。


アルミ遮熱材は、放射熱を反射する能力は高いと思いますが、対流熱に関しては全く反射していないそうです。
さらに、放射熱を反射しても、跳ね返って暖められた部分から対流熱となって伝わってくるので、反射してもしなくても、同じ事!だと言われます。
(反射した光が、2度と帰ってくることが無い宇宙空間であれば、効果は高いです)

「なぜ外気温度よりも、アルミ遮熱材内部温度の方が高い?」
これは、太陽光がクーラーボックスを直接温め、その温度がクーラーボックス内部に伝わる為です。
外気温度は、地盤面から2mの高さの空気の温度を計測しています。太陽光の影響を受けにくい場所の温度なので、クーラーボックス内部の方が温度は高くなります。


ご理解いただければ幸いです。

実際の家での断熱材比較テスト

どの家が、最も断熱効果が高いのか?

「断熱材150ミリ・・・愛知モデル」Air断初期version
        VS
「断熱材100ミリ・・・北海道モデル」Air断寒冷地version
        VS
「断熱材 0 ミリ・・・東京モデル」Air断寒冷地version2 

浴室内部温度比較(暖房の影響を受けにくい場所での比較)
「愛知モデル  浴室内部温度11℃」  (外気温度10℃時)
「北海道モデル 浴室内部温度20.4℃」 (外気温度-1.7℃時)
「東京モデル  浴室内部温度20.3℃ 」 (外気温度8℃時)
※浴室ドアは全て開放状態です。

断熱材が最も厚い愛知モデルが、最も温度が低い結果となりました。
理由は、「浴室部分の対流の有無」だと判断しています。
愛知モデルは、”浴室だけが冷える”状態でした。これは、浴室2面の壁にファンを取り付けていない事が原因では?と想定していました。
そこで、北海道、東京モデルでは、浴室2面の壁に、ファンを設置。
結果は上記のように、外気温度がマイナスでも、20℃前後をキープする北海道。
断熱材が無くても、20℃前後をキープする東京。となりました。
これらの結果から、断熱材ではなく、対流が、高い断熱効果を発揮していると判断しています。
ちなみに、エアコン暖房から浴室までの距離は、愛知モデルが3メートルで最も近く、次に東京モデルの7メートル、最後が北海道モデルの9メートルです。

今後も検証を進め、ご報告させていただきます。

セルロースファイバーについて

「他の断熱材実験では、セルロースファイバーの温度が上昇しない結果が出ていますが、この結果をどう説明しますか?」

とご指摘がありました。
そして、指摘のあった他社の”YouTube” 実験動画を確認しました。
図のような実験ですよね。

10分後に
1.グラスウール下の温度センサーは10度近く上昇
2.フェノールフォーム下の温度センサーは5度上昇
3.セルロースファイバー下の温度センサーは上昇無し。
セルロースファイバーの断熱性能が高い実験結果となっている動画だと思います。
住宅検査 ホームリサーチ
セルロースファイバーについて


この実験では、投光器の熱源を利用しています。
投光器の場合と、実際の太陽光では、紫外線や赤外線の量が全く違います。

また、セルロースファイバーは、光を遮断しやすいので、10分程度では熱の影響を受けにくいだけだと判断します。
さらにグラスウールは、真ん中に位置するので、両サイドに熱が逃げにくく、温度が上がりやすいと考えます。

それぞれの試験体を離して実験しないと、正確な測定にはなりません。
また、実際の家では、投光器のような放射光ではなく、対流で熱が伝わります。

実際の家では、太陽光で外壁が温められ、外壁に接触した空気が断熱材を暖めます。
指摘の実験は、家が置かれる環境下ではなく、”投光器”の光に対しての、断熱性能を比較した実験だと思います。
(ただ、やはり真ん中に配置されたグラスウールは、熱の逃げ場が無いので、平等な実験とは言いにくい気がします)

家の置かれる環境下での、断熱材の実験を行う場合、10分程度の実験ではなく、最低でも24時間以上続け、温度上昇と下降の記録を取る必要があると思います。

弊社が行っている室内実験は、家が置かれる環境での実験です。
グラフは、
青色 セルロースファイバー
赤色 グラスウール
灰色 スタイロフォーム
の8時間温度変化です。
熱源は投光器ではなく、専用温風ヒーターを使用しています。
1時間後からは、どの断熱材内部でも似たような温度が記録されています。
住宅検査 ホームリサーチ
セルロースファイバーについて


さらに、各断熱材の経年変化を測定するために、5年越しの実験を継続中です
実物実験では、実際の家にセンサーを取り付けてデータを記録しています。

ご指摘の実験と弊社の実験とでは、本質が違うと考えています。

断熱実験-発泡スチロールの場合

動画は発泡スチロールです。
大きさは300mm×400mm
厚み30ミリを6枚重ねて、ドライヤー側から100ミリの位置に温度センサーを取り付けてあります。
(ドライヤーの熱風は「冬の冷気」と同じ”伝導”と”対流”で伝わると言われます。)

ドライヤーからは温風が出ています。
発泡スチロール表面温度は70度前後。
30分後には25度から37度まで上昇。(12度上昇)
1時間後には40.2度まで上昇(15.2度上昇)
2時間後では41.7度まで上昇しました。