放射冷却型結露

放射冷却結露

放射冷却に関して、新しくわかったことをお伝えします。
カレンダーを御覧ください。
住宅検査 ホームリサーチ
放射冷却結露


青色に表示された日は、結露センサーが水分をキャッチした日です。
6月7日から、瓦下に設置下水分センサーが反応を始めました。
通年では、1日から2日程度で反応は停止しますが、今年は2ヶ月続いています。
例年に無い湿度によるものだと考えています。
(外部湿度は90%以上を連日記録)

これは放射冷却結露の典型だと考えています。


動画のように、瓦下で結露し、滴り落ちて水分センサーが反応したと判断しています。
瓦を土で伏せていた昔とは違い、瓦下には空間が存在しています。
この空間に結露が発生し、タッカーや木部をサビ腐食させると考えます。

ホームリサーチでは、
屋根のタッカー留め部分の止水処理
屋根桟木の通水処理
軒先板金の止水処理
に注意するようにお伝えしています。

引き渡し後10年では腐食しないかもしれませんが、15年、20年経過すると、このような湿度の高い時期には長期間水分にさらされて腐食する可能性が高まります。
下地が腐食することで、屋根の耐久性は大幅にダウンします。
(屋根が吹き飛んだりする原因は、想定外の風の強さだけではなく、このような腐食が原因なのかもしれません)

現在の家造りでは、結露対策を十分に行うことが大切です。

放射冷却結露

放射冷却結露

日中太陽により温められた家は、日没と共に温度を急降下させます。
特に風が無く雲のない晴れた夜間は、放射冷却現象が進み、家の温度が急激に下がります。

金属屋根などは、瓦屋根よりも温度低下が激しく、簡単に氷点下まで温度が下がります。
冷たくなった金属屋根は、屋根下地(野地板)を冷やし、屋根下地材が結露し腐食し始めます。
住宅検査 ホームリサーチ
放射冷却結露


屋根材を止付ける釘も結露し、錆び付いてしまいます。
住宅検査 ホームリサーチ
放射冷却結露


屋根材を止付ける釘から滴り落ちた結露水が、断熱材に溜まってる写真です。
住宅検査 ホームリサーチ
放射冷却結露


住宅検査 ホームリサーチ
放射冷却結露


Air断住宅では、小屋裏換気扇が、「結露の発生」を計算して発生する前に動き出します。
結露は、風があると発生しにくい性質があります。
家中に取り付けられたセンサーで温度湿度を読み取り、結露の危険性が高まるとファンを動かして結露を回避します。

放射冷却による結露


説明しにくい部分ですが、頑張って説明してみます。

放射冷却による結露とは、屋根材壁材が温度を失った時に起きます。
車が結露でビッシリ濡れている経験がありませんか?
金属は冷えやすいので、風のない晴れた日は温度を急激に失います。

しかし、空気は放射冷却しません。(厳密には違いますが)
空気の温度は変わらず、車だけが熱を失うので、冷たくなった車に結露が発生。
これと同じことが家でも起きています。

屋根材も壁材の裏表で結露が発生。
裏側は対流が起きないので、乾きにくいのが特徴。
カビの発生や腐食につながります。
$FILE1_l

(動画でも分かりにくいかもしれません。)
結露は必ず冷たい側で発生します。
そして、湿度が高ければ、1度の温度差でも結露するそうです。
結露を抑えるには、
1.湿度を下げるか
2.温度差を少なくするか
3.風で吹き飛ばすか!
の3択

1.の湿度コントロールはとても難しい選択です。
2.の温度差を無くす!も難しい…。
3.は比較的簡単。
Air断は、3の「風で吹き飛ばす」を採用しています。
結露発生をセンサー値から計算し、危険が高まるとファンを自動で動かします。

「放射冷却ってものがあるんだ!
 それによって結露するんだ!
 その結露は風で吹き飛ばすのが効果的なんだ!」
程度にご理解いただけると幸いです。

若干違っているかもしれませんが、違っていた場合は訂正します。