熱交換換気扇について

熱交換型換気扇を使ったほうが良いのでは?

「熱交換型換気扇を使ったほうが良いのでは?」

ご質問を受けました。

熱交換型換気扇とは、室内の熱を外に捨てず、空気だけ排出する換気扇です。
夏冷房で冷やした室内の冷たい空気の、冷たさだけ室内に残して、空気だけを捨てる
冬暖房で温めた室内の温かい空気の、暖かさだけ室内に残して、空気だけを捨てる
こんな魔法のような事をやってのける換気扇です。

もちろん魔法では無く、本当に熱を交換して、空気の入れ替えが出来る換気扇です。

ただし、問題はその効果。

問題点1.
熱交換型換気扇の効果は、空気の排出量で決まります。
「最大150㎥/1h」なら、1時間に150㎥が効果の上限。
つまり、冷暖房した空気のうち、150㎥しか熱交換しないことになります。

エアコン冷暖房の場合、1時間に排出する空気の量は1000㎥にも達します。
この1000㎥のうち、150㎥しか効果を発揮できないわけです。
つまり、冷暖房熱の15%しか熱交換出来ない。
エアコンが1時間稼働した時の電気料金が30円と仮定すれば、15%、つまり4.5円の節約になります。
「熱交換率80%」の場合、4.5円×80%=3.6円
この時熱交換器が消費する電力が100wだとしたら、3円の電気料金が発生します。
3.6円のエコを達成するために、3円使用する。
最終的に1時間に0.6円のエコを達成することが可能!となります。

しかしこれは、冷暖房している時だけの計算。
そして、フィルターの目詰まりで熱交換率が60%に低下すると、0.3円の赤字が発生します。

問題点2.
熱交換器が設置される場所は屋根裏が一般的です。
そして屋根裏は、夏最も温度が高く、冬最も温度が低い場所。
(壁に設置されるダクトレス熱交換型換気扇も同様です)
熱交換器そのものが夏高温になり、冬低温になり、熱交換率を大きく低下させています。

問題点3.
本体の価格が高価で、得られる効果の方が低い。
フィルター交換など、メンテナンス費用が高価。

問題点4.
熱交換の必要がない”春、秋”は、全くもって無意味な換気扇です。

問題点5.
「花粉やpm2.5まで除去するので室内がキレイになる」
と指摘を受けました。
しかし、ドアの開閉や出入りする人が持ち込む”花粉、pm2.5”の方が桁違いに多いそうです。
特に、衣類に付着する”花粉、pm2.5”の量は桁違い。
換気扇で除去しても、出入りする人が大量の”花粉、pm2.5”を持ち込んでいます。
入り込んだ”花粉、pm2.5”を早く外に出す事の方が重要です。

まとめ
上記のような問題点から、”熱交換型換気扇”の効果は非常に少ないと考えています。
特に、「フィルター交換」が頻繁に発生するそうです。
「2週間で真っ黒、薦めておきながら、あれは失敗したと感じた」
と語る設計士もいたそうです。

熱交換換気扇の効果

熱交換換気扇

熱交換換気扇は有効?

熱交換率70% 140㎥/hの熱交換換気線の場合
 140㎥/h×70%=105㎥/h一般換気扇よりもエコな冷暖房が可能。

熱交換が効果的な季節
12月、1月、2月夜間
7月、8月日中
この間8時間、熱交換換気扇は一般換気扇よりも105㎥/hエコになる。
温度差が少ない他の季節や時間帯は、熱交換の効果が得られない。
春、秋に関しては、熱交換する必要が無い。

電気料金に換算!
1時間に2KW使用する冷暖房の場合。
一般的エアコンは、1時間に960㎥/hの空気を循環する。
この内105㎥/hがエコな換気になるので、
105÷960=約0.1がエコ換気になる。
2kwhの電気料金50円×0.1=5円が1時間にエコになる料金。
5円×8時間×5ヶ月=6000円が年間トータルのエコ料金と計算出来る。
(1時間50円の電気代は若干多めです。)

熱交換換気扇本体の電気料金 年間9720円 (消費電力45wh)
熱交換換気扇 総トータル=9720円ー6000円=3720円
3720円赤字となる。
冷暖房費は−6000円だが、年間の本体電気料金がそれを上回る。
更に、数年後のフィルター交換。
初期の本体価格を考慮すると、エコとは言えない!

※この計算が正しいとは言い切れません。
想定している「熱交換が効果的な季節、時間」が増えると、効果も増えます。
しかし仮に倍増しても、本体価格やフィルターの交換を考慮すると、エコとは言えないと考えています。

熱交換換気扇とは

熱交換換気線とは?

空気の入れ替えの際、冷暖房熱は捨てずに、空気だけ入れ替える換気扇です。
仕組みは単純です。

1.暖房した室内の空気を外に排出する時に、「熱交換素子」と呼ばれるフィルターを通ります。
2.このフィルターが室内の暖房熱で温まります。
3.外から入り込む空気は、上記フィルターを通って入り込むので、熱を奪って室内に入り込みます。

1〜3がループすることで、「熱交換」が進み、エコな換気が可能になると言われています。

問題点!
1.熱交換素子を通り抜けるには、強力な風量が必要。
 熱を吸収する為には、細かなフィルターを通す必要があります。
 細かなフィルターを通るには、大きな風量が必要になります。
2.春、秋、夏の夜は、効果が少ない
 温度差が少ない場合は、熱交換する意味がありません。
 春、秋、夏の夜間は、室内と室外の温度差が5度未満。
 温度差が少ないと、熱の移動は少なくなります。
3.目詰まりが発生して効果が落ちやすい
 強力に吸い込み、協力に吐き出すので目詰まりが発生します。
 虫も吸い込んでしまうほど強力に吸い込むので、目詰まりは必死。
4.熱交換素子の交換費用
 数年後には熱交換素子の取替が必要になります。
 (フィルターの奥深くまで汚れが浸透するので)
5.費用対効果が微妙
 熱交換が不要な時期も、24時間換気として使用する場合、強力な風量が仇となります。
 フィルター清掃、交換費用が発生します。
 
※外気温度の低いエリアでは効果があると思いますが、それ以外のエリアでは効果があるとは言いにくいと判断しています。
(外気温度がマイナスになるエリア)