冬型結露

いいサッシやガラスを使った方がいいの?



「いいサッシやガラスを使った方がいいの?」
ご質問がありました。

いいサッシやガラスとは、樹脂サッシや、トリプルガラスのことを指していると思います。
「熱が逃げにくい!」
と言われますが、一得一失でもあります。

こちらは、断熱性能が悪いと言われる安価なアルミサッシです。
外気温5.7℃、2月の寒い時期、室内暖房中ですが、太陽光の影響を受けて、30.1℃まで上昇しています。冬季の室内で、熱源なしで、30.1℃の熱を発する商品は他にはありません。
しかし、違う部分を切り取ると、「断熱性能が悪い!」と言われます。

一得一失についてご説明します。
アルミサッシは、冬でも外気温度が上昇した時は、それをいち早く室内に伝えてくれる長所があります。
これが一得。
もちろん、外気温度が下がれば、それをいち早く室内に伝える短所もあります。
これが一失。
高性能サッシやトリプルガラスは、外気温度が下がっても、その温度をゆっくり室内に伝えます。
ここだけ切り取ると、「熱が逃げにくい」となり一得。
省エネのように感じますが、反対に、外気温度が上昇しても、その温度をゆっくり室内に伝えるので、一失、省エネではなくなります。

こちらは、Air断東京モデル、外気温度グラフです。
この下がっている温度と、上昇している温度を、それぞれ1ヶ月足し合わせていくと、
下がっている温度合計は、407℃。
上昇している温度合計は、424.7℃。
冬季1月でも、上昇している温度の方が多いことが分かります。
高性能サッシやガラスは、外気温度が下がっている時にメリットを発揮しますが、外気温度が上昇している時は、ゆっくり熱を伝えるので、デメリット。

反対に、アルミサッシなどは、外気温度が下がっている時、素早く下がった熱を伝えるので、デメリットですが、外気温度が上昇している時は、素早く上昇した熱を伝えるのでメリット、省エネと言えます。
つまり、上昇している温度が多い2024年1月は、アルミサッシの方がエコ!とも言えます。
こちらが、2023年12月、11月、10月、4月、3月、2月、1月、暖房を使用した期間の、外気温度が下がった温度合計と、上昇した温度合計です。

全ての期間で、上昇している温度合計の方が多いことが分かると思います。
そしてこれは、極寒北海道でも同様でした。

つまり、高価なサッシよりも、安価なアルミサッシの方が“一得”が多い!と判断することができます。
“一得”が多いのであれば、安価なアルミサッシ、ガラスの方が断然エコだと判断できます。

「上昇したとは言え、5℃や10℃は寒い熱。そんな熱は、伝わらない方がいい」
という意見がありますが、これは違います。
人からすると、5℃や10℃は寒い温度ですが、暖房しているエアコンからすると、外気温度が10℃も上昇したら、とてもエコな暖房が可能になります。

こちらのグラフは、極寒北海道のAir断モデル、2月の外気温度推移と、エアコン暖房料金のグラフです。
ちなみに、Air断北海道モデルは、断熱等級3、基礎断熱なし、断熱材は最も安価なグラスウールを使用したモデルです。

1日の外気平均温度、エアコン暖房料金です。
外気平均温度‐7.75℃の2月2日は、1日756円の暖房料金がかかりました。
しかし、外気平均温度6.01℃まで上昇した2月14日は、56%ダウンの330円しか、かかっていません。
冬季、上昇した熱をすぐに伝えることがエコな暖房に繋がる、分かりやすいグラフだと思います。
つまり、高価なサッシ、ガラスも、安価なサッシ、ガラスも、効果に差がないのであれば、安価なサッシ、ガラスの方が断然エコ!だと判断します。
ちなみに、2024年2月の暖房費は、極寒北海道では驚異の18,822円でした。
昨年より、大幅に暖房料金減額に成功しました!
理由は、断熱ではありません。
断熱性能は一切高めていません。
高めたのは気密!性能。
詳しくは別の動画で!

話を戻します。
「アルミサッシは結露することが問題」
と言う人がいますが、アルミサッシが結露するわけではありません。
結露しやすい作り方をしているから、結露しているだけだと思います。
結露しにくいサッシに取り換えたとしても、結露しやすい作り方をしていれば、サッシやガラスで結露しなくても、壁や壁内部で結露します。
さらに、アルミサッシやガラスで結露しても、拭き取れば済みます。
しかし、壁内部で発生した結露は、乾きにくく、長期間水分に接触することで、木部腐食に発展。
耐震性を下げ、危険性が高まります。
更に、壁内部で結露が発生するより、アルミサッシで結露が発生した方が、危険性は低いと言う人もいます。

また、アルミサッシを結露しにくいサッシに変えたところで、壁内部結露のリスクは変わりません。
アルミサッシを使っても、結露しにくい家の構造にすることが重要だと思っています。

もちろん、弊社の見解が、必ずしも正しいとは限りません。
参考にしていただければ嬉しいです。
ちなみにですが、Air断東京、大阪、九州モデルでは、アルミサッシを採用。
対流型ストーブを使用して、お湯を沸かしても、数人で鍋を囲んでも、過去一度も結露が発生したことはありません。
アルミサッシでも結露しない家の作り方!があることを、知っておいていただければ嬉しいです。

もちろん、樹脂サッシを使用したAir断北海道、愛知も、過去一度も結露は発生していません。
これらの情報が、これから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。

冬型結露


壁の中、小屋裏、床下で発生する結露!
なぜ発生するのか?

現在知りえた情報を出来る限り分かりやすくご説明します。

冬に発生する結露として!

燃焼系暖房器具を使用すると、大量の水蒸気が発生します。
10リッターの燃料を使用すると、10リッターの水蒸気が発生すると言われています。

この時発生した水蒸気が、冷たい部分に接触して水分に変わる事を「結露」と呼びます。
窓ガラスやサッシが結露したり、壁や、壁内部の結露につながります。
中でも、最も厄介な結露が、「壁内部の結露」です。
壁の中は見えないので、どーすることも出来ません。
また、壁内部で発生した結露は、数週間乾燥する事なくとどまります。
木部の腐食につながったり、断熱材が水分を吸ってずり落ちたりする原因になります。

「サッシや窓ガラスが結露する」場合、壁内部で結露が発生している可能性が極めて高いと思います。
燃焼系暖房器具から、エアコン暖房に切り替えるのも対策です。
(エアコン暖房は水蒸気を発生しません。またエネルギー効率が高いエコな暖房機器です。)

Air断の場合、空気を対流させるので、結露発生を大幅に抑える効果があります。