セルロース調湿比較

「セルロースファイバーは、湿気を吸収するので、調湿効果がある」と大学教授に聞きました。



「セルロースファイバーは、湿気を吸収するので、調湿効果がある」と大学教授に聞きました。
ホームリサーチの見解と違っていますが・・・・

ご質問がありました。
同じ大学教授かどうかは、わかりませんが、弊社も大学教授に確認した事があります。
大学教授曰く
「セルロースファイバーは、湿気をほんの少しだけ吸収してます」
との事でした。
「教授、我々は、1週間にわたる加湿実験で、セルロースが湿気を吸収していない事を確認しています。
セルロースが、湿気を吸収するのなら、重さが増加しますよね。
しかし、残念な事に、重さは1gも、変化しなかったんです。
それに撥水加工してある段階で、湿気を吸収するわけないじゃないですか!」


「いや、ほんの少し、ミクロレベル、本当にほんの少し吸収してます、
もちろん、部屋の湿気をコントロールしたりするような吸収は、してませんよ、
でも、本当にほんの少しだけ吸収してるんです」


「教授、それをどうやって確かめるんです?」

「確かめる術はないけど、ミクロレベルで考えれば吸収してるんです」

「教授、それはもう、吸収してないレベルですよね」

「ほんの少しでも吸収したら、吸収してると言えるでしょ、
もちろん、室内の湿度を低下させたりすることは出来ませんよ、でも吸収はしてる」


「それ言い出したら、なんでもありじゃ、ありませんか・・・・」

こんないきさつがありました。
つまり、吸収している事は事実、しかし、あまりにも少しで、部屋の調湿など出来るような吸収ではない!と言うのが教授の見解でした。

ミクロレベルで考えたら、吸収している!と言う事です。

私たちは、それを、吸収していない!と判断しますが、
細かな厳密レベルでは、吸収している!と判断するそうです。

ただ、教授は、「部屋の調湿性はない!」とはっきり断言したので、その点は私たちと同じ見解です。
結論としては、
セルロースファイバーは、湿気をミクロレベルで、吸収するそうですが、
それを測定する事は出来ず、また、室内を調湿する性能も、持ち合わせていない!と言えると思います。
ご理解いただければ幸いです。

セルロースファイバー推進工務店の話

以前のセルロースファイバー推進工務店の話

Air断愛知県モデルハウスを見学した工務店社長に、断熱材実験テストを披露していた時でした。(社長と奥様の2名で見学、少し高齢のご夫婦でした)
「セルロースファイバーの性能が、そんなに悪いはずはない!」
的な、少し威圧的な反論でした。
2014年から記録しているデータの、暑い時期、寒い時期を丁寧に説明。
24時間、365日計測している
1.セルロールファイバー内部温度
2.外気温度
3.グラスウール内部温度
4.スタイロフォーム、ロックウール、発泡ウレタン・・・
をお見せし、夏平均、冬平均をお見せし、どれも大差ない事を説明。

Air断の仕組みよりも、セルロースファイバーの断熱性能が変わらない事に衝撃を受けていました。

「セルロースは湿度調整してるんだ、だからデータには出にくいんだ!」

次は、少し意味不明の反論でした。
セルロースファイバーの調湿実験もご覧いただき、調湿していない事を丁寧に説明。
「仮に、本当に調湿していたとします。夏に湿気を吸い込み、冬に湿気を放出すると言いましたが、夏の水分を4か月後の1月2月に放出するのは、不衛生だと思います」

一緒に聞いていた奥様が、
「うわっ、汚ッ・・・もおAir断に変えればいいじゃん・・・」

社長が
「重さが増えなくても、湿気を吸ってる事は事実・・・」
竹内が
「湿気を吸ってるって事は、湿気ってるって事ですよね、湿気れば重さが増えなければおかしいです、重さが増えないって事は、湿気を吸ってないって事だと思いますが・・・」

竹内が丁寧に説明。しかし、

「それでもセルロースは調湿してる!」

最後に、「それでも地球は回っている」的な、ガリレオガリレイのようなセリフを残して帰って行かれました。

私たちは、ご夫婦を言い負かしたいわけではありません。

セルロースファイバーが調湿しているのであれば、
1.どれくらいの量を吸っているのか?
2.吸い込んだ水分はどうなっているのか?
が知りたいだけでした。
仮に、本当にセルロースファイバーが湿気を吸い込んでいるとしたら、重さが増えて自沈するはずです。
壁内部のセルロースファイバーが自沈すれば、上部に隙間が出来てしまう。
検査屋としては、見逃すことが出来ない構造欠陥です。
実験してみると、ほとんど湿気を吸い込んでいない事が判明。
(実験は3度繰り返しました)
湿気を吸い込まないから、自沈する事もない!構造的な欠陥には繋がらない!ただし、「セルロースは調湿する」と言う説明は、控えるべき!
検査屋が下した判断です。

今では、セルロースファイバーの調湿性は、オーバートークである事が知られるようになってきました。
愛知モデルハウスを見学してくれた工務店社長は、現在では連絡が取れません。残念に思っています・・・。

セルロースファイバーの調湿実験2

「透湿防水シートじゃないので、セルロース内部に湿気が入りにくいはず」

とご指摘を受けましたので、ダンボール箱の上部を透湿防水シートに取り替えて追加実験を行いました。

結果は同じでした。

左側がグラスウール
真ん中が木質系断熱材
右側がセルロールファイバー
です。(一番右側は湿気取りです。)
4日間ほぼ湿度99%で推移。
増加した水分量は
グラスウールが20グラムほど増加
木質系断熱材が25グラムほど増加
セルロースファイバーが25グラムほど増加

グラスウールが湿気を吸い込まない事を考慮すると、増加した量は「ダンボール」が吸い込んだと考えられます。

最も湿気を吸い込んだ「湿気取り」でも、50グラムほどしか湿気を吸い込みませんでした。
4日間の加湿実験では、加湿器に入れた水分80リットルが水蒸気となりました。
この80リットルの水蒸気を、ほとんど吸い込む事ができなかったと判断しています。

セルロースファイバーが「自重の60%の湿気を吸い込む」と言う表現は間違えていると判断しています。

セルロースファイバーの調湿実験

「セルロースファイバーは、夏の湿気を吸って、冬に湿気を吐き出す!調質性能があるんです。断熱性能だけじゃないんです」
とご意見をいただきました。

担当者の話では、「セルロースファイバーは、自重の60%の水蒸気を吸い込む事が出来る」と語っていました。
しかし、実際のセルロースファイバー住宅の検証では、一般住宅の湿度とほとんど変わりません。

「窓の開け閉めが多いだけじゃないですか?」
とご指摘を受けたので、以下の追加実験を行いました。


本当に水蒸気を吸収しているなら、湿度99%に加湿した室内で、セルロースファイバーは水蒸気を吸って重くなるはずです。
これを実験しました。

2種類のダンボールを用意。
片方にはセルロースファイバーを400グラム
もう片方には硬質ウレタンフォームを400グラム
天秤に載せ室内を99%まで加湿。
4日間計測しました。
こちらが実験動画です。

セルロースファイバーが、自重の60%の水蒸気を吸収するなら、640グラムまでメモリが増えなければなりません。
硬質ウレタンフォームは、調湿性能がゼロなので、グラム数が増えることはありません。


結果は、両方とも450グラムに増加。
この増加は、ダンボールが湿気を吸収した水分だと判断出来ます。
つまりセルロースファイバーは、湿気を吸収していない事が実験から明らかになりました。

撥水加工してあるセルロースファイバーに「調質性」がある事自体に疑問を感じていましたが、実験結果からも「調質性」が無い事が示されました。
この実験結果や、実際の湿度データを検証した結果、「セルロースファイバーに調質性がある」とは言えないと判断しています。

セルロースファイバーの調湿性実験

「湿度を計測しただけで、セルロースファイバーの調湿性を疑うのはおかしい。セルロースじゃなかったら、もっと湿度が高いはず、セルロースは湿気を吸収してるんだ(怒)」
とクレームを受けました。

【セルロースファイバーは、夏の湿気を吸収し、冬に湿気をはき出す】

と断言する工務店からのクレームでした。

湿度データを見る限り、「湿気を吸収してる」とは判断出来ませんが、「湿気を吸収していない」とも言えません。
そこで、下記の実験を行いました。

セルロースファイバーと発泡ウレタン断熱材を計りに乗せ、室内を加湿して吸収した湿気の量を計測。
セルロースファイバーが湿気を吸収するなら、グラム数が増加するはずです。
96時間計測しましたが、どちらも最大25グラム増加。
そしてすぐに元の350グラムに戻りました。

この実験から言えることは、「セルロースファイバー断熱材が、湿気を吸収しているとは考えられない!」です。
※セルロースファイバーは、取り引き工務店から支給を受けた一般流通しているセルロースファイバーです。
そして、「夏の湿気を冬にはき出す」もかなり怪しいと判断しています。

「セルロースが調湿する」は間違い!

 「セルロースファイバー断熱材が、部屋の湿度を調整します。
  夏湿気を吸い込み、冬に湿気を吐き出します。」

これが事実なら、夏吸い込んだ湿気を、4ヶ月後の冬に放出するわけです。
4ヶ月前の水分は、汚染されないのでしょうか?
カビや菌が発生してるのでは?
そもそも、壁内部の断熱材が、部屋の湿気を吸い込んでるのだろうか?
吸い込んでいるとしたら、他の家よりセルロースファイバーを使った家のほうが、室内湿度が低下するはず。

こんな疑問から、セルロースファイバー住宅と外断熱工法住宅で、室内湿度の変化を比較しました。
こちらがその比較動画です。



セルロースファイバー住宅の方が、外断熱工法住宅よりも室内湿度が高い事がわかりました。
他の実験でも、セルロースファイバーに”調湿性”が見られない事が分かっています。

「セルロースファイバーは調湿性がある」

は信用出来ないと判断しています。