No.192の記事

セルロースファイバー推進工務店の話

以前のセルロースファイバー推進工務店の話

Air断愛知県モデルハウスを見学した工務店社長に、断熱材実験テストを披露していた時でした。(社長と奥様の2名で見学、少し高齢のご夫婦でした)
「セルロースファイバーの性能が、そんなに悪いはずはない!」
的な、少し威圧的な反論でした。
2014年から記録しているデータの、暑い時期、寒い時期を丁寧に説明。
24時間、365日計測している
1.セルロールファイバー内部温度
2.外気温度
3.グラスウール内部温度
4.スタイロフォーム、ロックウール、発泡ウレタン・・・
をお見せし、夏平均、冬平均をお見せし、どれも大差ない事を説明。

Air断の仕組みよりも、セルロースファイバーの断熱性能が変わらない事に衝撃を受けていました。

「セルロースは湿度調整してるんだ、だからデータには出にくいんだ!」

次は、少し意味不明の反論でした。
セルロースファイバーの調湿実験もご覧いただき、調湿していない事を丁寧に説明。
「仮に、本当に調湿していたとします。夏に湿気を吸い込み、冬に湿気を放出すると言いましたが、夏の水分を4か月後の1月2月に放出するのは、不衛生だと思います」

一緒に聞いていた奥様が、
「うわっ、汚ッ・・・もおAir断に変えればいいじゃん・・・」

社長が
「重さが増えなくても、湿気を吸ってる事は事実・・・」
竹内が
「湿気を吸ってるって事は、湿気ってるって事ですよね、湿気れば重さが増えなければおかしいです、重さが増えないって事は、湿気を吸ってないって事だと思いますが・・・」

竹内が丁寧に説明。しかし、

「それでもセルロースは調湿してる!」

最後に、「それでも地球は回っている」的な、ガリレオガリレイのようなセリフを残して帰って行かれました。

私たちは、ご夫婦を言い負かしたいわけではありません。

セルロースファイバーが調湿しているのであれば、
1.どれくらいの量を吸っているのか?
2.吸い込んだ水分はどうなっているのか?
が知りたいだけでした。
仮に、本当にセルロースファイバーが湿気を吸い込んでいるとしたら、重さが増えて自沈するはずです。
壁内部のセルロースファイバーが自沈すれば、上部に隙間が出来てしまう。
検査屋としては、見逃すことが出来ない構造欠陥です。
実験してみると、ほとんど湿気を吸い込んでいない事が判明。
(実験は3度繰り返しました)
湿気を吸い込まないから、自沈する事もない!構造的な欠陥には繋がらない!ただし、「セルロースは調湿する」と言う説明は、控えるべき!
検査屋が下した判断です。

今では、セルロースファイバーの調湿性は、オーバートークである事が知られるようになってきました。
愛知モデルハウスを見学してくれた工務店社長は、現在では連絡が取れません。残念に思っています・・・。