No.298の記事

湿度対策に関して!



「壁内部の断熱材セルロースファイバーが湿気を吸収する」
「無垢材が湿気を吸収する」
これらを検証しました!
まずセルロースファイバーは、湿気をほとんど吸収していませんでした。

これは高湿度状態の部屋に、1週間セルロースファイバーを放置して、その重さを測定した実験にて検証済みです。

加湿器5台で、常時90%以上の高湿度状態にした部屋に、セルロースファイバーを放置。
セルロースファイバーが、湿気を吸収するなら、重さが増加するはずです。
しかし、1週間計測を続けましたが、重さは増加しませんでした。
つまり、セルロースファイバーは、湿気を吸収していない!と言えます。

実験は2度行いました。
さらに、セルロースファイバーを施工した家の湿度も計測しましたが、
湿度が上昇する夏季、室内の湿度も上昇。セルロースファイバーが湿度を吸収しているとは判断出来ませんでした。


次に無垢材です。
無垢材は、湿気を吸い込みます!が、その量はゴクゴクわずか。
2キロの木材の重さを、冬季と夏季で比べましたが、重さの違いは確認出来ませんでした。
つまり、はかりでは確認出来ないほどの、少しの量しか吸収していないと考えられます。

まとめます!
セルロースファイバーや、無垢材などで、湿気を吸収する事は難しいと判断しています。
確かに、無垢材は湿気を吸収しています。が、その量はとても少なく、
そして限界値を超えて湿気を吸収する事は出来ません。
無垢材は、5月、6月には吸収出来る限界値を超え、7月、8月には1gも吸収していない!と判断しています。

つまり、材料等で、湿気を吸収する事は難しい。
さらに、室内に入り込む大量の湿気をコントロールする事は、不可能だと思います。
壁を漆喰に変えても、漆喰壁が吸収する量にも限界があります。
35坪2階建住宅の場合、夏季の室内には、10ℓの水蒸気が存在していると言われます。
たとえ、この10ℓの水蒸気を、漆喰壁や無垢材が吸収したとしても、
24時間換気、ドアの開け閉めにより、新たな水蒸気をたっぷり含んだ空気が供給され続けます。
限界値を超えた漆喰壁や無垢材は、その後1gも吸収する事はありません。


次から次へと入り込んでくる湿気をコントロールするには、
エアコンなどの機械式除湿装置を使わなければ不可能
だと判断します。

これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。