セルロース調湿比較

セルロースファイバーの調湿性実験

「湿度を計測しただけで、セルロースファイバーの調湿性を疑うのはおかしい。セルロースじゃなかったら、もっと湿度が高いはず、セルロースは湿気を吸収してるんだ(怒)」
とクレームを受けました。

【セルロースファイバーは、夏の湿気を吸収し、冬に湿気をはき出す】

と断言する工務店からのクレームでした。

湿度データを見る限り、「湿気を吸収してる」とは判断出来ませんが、「湿気を吸収していない」とも言えません。
そこで、下記の実験を行いました。

セルロースファイバーと発泡ウレタン断熱材を計りに乗せ、室内を加湿して吸収した湿気の量を計測。
セルロースファイバーが湿気を吸収するなら、グラム数が増加するはずです。
96時間計測しましたが、どちらも最大25グラム増加。
そしてすぐに元の350グラムに戻りました。

この実験から言えることは、「セルロースファイバー断熱材が、湿気を吸収しているとは考えられない!」です。
※セルロースファイバーは、取り引き工務店から支給を受けた一般流通しているセルロースファイバーです。
そして、「夏の湿気を冬にはき出す」もかなり怪しいと判断しています。

「セルロースが調湿する」は間違い!

 「セルロースファイバー断熱材が、部屋の湿度を調整します。
  夏湿気を吸い込み、冬に湿気を吐き出します。」

これが事実なら、夏吸い込んだ湿気を、4ヶ月後の冬に放出するわけです。
4ヶ月前の水分は、汚染されないのでしょうか?
カビや菌が発生してるのでは?
そもそも、壁内部の断熱材が、部屋の湿気を吸い込んでるのだろうか?
吸い込んでいるとしたら、他の家よりセルロースファイバーを使った家のほうが、室内湿度が低下するはず。

こんな疑問から、セルロースファイバー住宅と外断熱工法住宅で、室内湿度の変化を比較しました。
こちらがその比較動画です。



セルロースファイバー住宅の方が、外断熱工法住宅よりも室内湿度が高い事がわかりました。
他の実験でも、セルロースファイバーに”調湿性”が見られない事が分かっています。

「セルロースファイバーは調湿性がある」

は信用出来ないと判断しています。

調湿性能比較

グラスウール断熱材の家と
セルロース断熱材の家とを湿度データで比較しました。


「夏に水分を吸って、冬に吐き出す」
「呼吸する家」
と言った表現を聞きます。

1.こんな事が本当に出来るのか?
2.壁の中の断熱材が、大量の水蒸気を吸収できるのだろうか?
3.水分を吸収する事は【湿気る事】と同じ事。大丈夫なのだろうか?
4.夏に吸収した水分を、数か月後冬に吐き出す場合、汚染された状態ではないのだろうか?
5.家の体積の5%程度しかない断熱材が、家の水蒸気を吸収するのだろうか?

下記グラフは、グラスウール断熱材 7月2日リビング湿度データ
最高湿度は57.8%
住宅検査 ホームリサーチ
調湿性能比較


下記グラフはセルロース断熱材 7月2日 リビング湿度データ
最高湿度は76.9%
住宅検査 ホームリサーチ
調湿性能比較


セルロース断熱材を使った家の方が、明らかに湿度が高い状態です。
壁の中のセルロース断熱材が、部屋の湿度を調節している、つまり湿度を下げているとは思えません。
(両物件はさほど離れていません)
次回は平均的湿度で比較します。