Air断は、面材軸組壁工法並びに、2×4工法を推奨しています。
スジカイ工法は推奨していません。
スジカイ工法は、断熱性能が極めて低く、特に寒冷地はAir断のメリットが発揮できません。(実物データを検証してお伝えしています)
床下、通気壁を通して天井から空気を取り入れるAir断は、家全体が熱を持つ事で、暖かい空気を取り入れる事を可能にします。
スジカイ工法では、家が暖まる事が無く、冷たい構造体を通り抜けて空気が入り込みます。これが原因で、Air断本来のメリットが発揮できなくなります。
もちろん、工務店やお客様の“こだわり”で、スジカイ工法を選択するケースもあるかもしれませんが、その際は、Air断、断熱メリットが発揮できない事をご理解ください。
しかし、暖房以外の、ホコリ激減、家庭臭、玄関臭、キッチン臭激減、結露発生リスクの低減に関しては、スジカイ工法であっても、変わらぬ性能を発揮します。
温暖なエリアで、暖房をあまり考える必要がない場合は、スジカイ工法でも良いのかもしれませんが、弊社としてはお勧めしていません。
面材壁工法は、コスト高と言う人もいますが、面材壁工法の場合、Air断に必要な数のファンの設置、エアコンスリーブの設置時に面材に穴を開けるだけで取り付けられます。
それと比べ、スジカイ工法の場合は、ファンの設置、エアコンスリーブの設置時、設置数分の下地材やその人工(にんく)が必要となるため、結果的にコストは変わらないと言われます。
次に、
「断熱材は何を使っても構わない!」となっていますが、遮熱断熱材だけは避けるようにお伝えしています。遮熱断熱材は、スジカイ工法を基本とするので、Air断とは相性が良くありません。
さらに、こちら実験棟温度データをご覧ください。
夏:断熱材実験データ
青色の温度が、遮熱断熱材温度です。他のグラフよりもとびぬけて温度が上昇してますよね。
56.2℃、最も高い温度を観測しています。
次に高いのが、赤色の、セルロースファイバー 49℃
その次が、モスグリーンの、スタイロフォーム 46.2℃
その次が、ライムイエローの、ロックウール 46.1℃
その次が、うす茶色のグラスウール32k 45.5℃
その次が、水色のキューワンボード45.1℃
その次が、山吹色の発泡ウレタン 42.1℃
最後が、瑠璃色のフェノールフォーム 39.7℃
遮熱断熱材は断トツに高温断熱性能が悪くなっています。
冬:断熱材実験データ
冬季実験データでは、最も温度が低いのが
モスグリーンの、スタイロフォーム −1.8℃
水色のキューワンボード −1.7℃
その次が、青色の遮熱断熱材 −1.3℃
その次が、ライムイエローのロックウール −0.7℃
その次が、山吹色の発泡ウレタン 0.3℃
その次が、赤色のセルロースファイバー 0.5℃
その次が、瑠璃色のフェノールフォーム 1.1℃
最後が、うす茶色のグラスウール 1.5℃
全ての断熱材は、同じ場所に置かれでいるので条件は同じ。
ただし、遮熱断熱材だけは4重巻き、さらに、クーラーボックス内部に収められているので、有利な条件です。
にもかかわらず、高温断熱性能は断トツに悪く、低温断熱性も、他と比べて悪い方。
この様な結果から、遮熱断熱材は推奨していません。
さらに、
天井断熱を推奨しています。勾配天井、屋根断熱の場合、小屋裏空間が無くなり、その分断熱性能が低下します。
デザインや、室内を広く使うために、どうしても勾配天井、屋根断熱を選択する場合は、十分の配慮が必要です。
そして、
1階リビングを推奨しています。2階リビングでは、冬季1階でも暖房が必要です。
(2階リビングの暖房が1階に下りる事はほぼありません)
ただし、どのような仕様、設計であっても、結露リスクが少なく、家庭臭が少なく、ホコリが少ないのは変わりません。
工務店、お客様の“こだわり”を尊重して、Air断をご活用いただきますようお願い申し上げます。