モデルハウスデータ

北海道モデルvs東京モデル!二酸化炭素濃度比較!



北海道対流型ストーブ実験で、二酸化炭素濃度が400PPMを超えない事を確認しました。
一般的な高気密住宅の場合、燃焼系暖房機器を使用すると、2時間程度で5000PPMを突破。
5〜6時間で8000PPMにも達します。

しかし、愛知Air断モデルハウスでは、1900PPM程度まで抑えます。

そして、吸排気を大幅に増加させた北海道Air断モデルハウスでは、ほぼほぼ400PPM。
対流型ストーブ2台をフル活用しても、二酸化炭素濃度はほとんど上昇しませんでした。

それならば、
東京Air断モデルハウスでも、同じ事になる!
そう思っていましたが、東京Air断モデルハウスでは、なんと、1700PPMまで上昇!
何度やっても、結果は同じでした。
吸排気能力は、北海道Air断モデルハウスの1.2倍。
それなのに、二酸化炭素濃度は愛知Air断モデルハウスと同等!

今回確固たる理由はお伝え出来ませんが、北海道Air断モデルハウスと東京Air断モデルハウスでは、1か所だけ変更した部分がありました。

もちろん、吸排気能力には、全く影響を与えない変更!

のつもりでした。

しかし、この変更こそが、二酸化炭素濃度を上昇させた原因だと想定しています。
この結果を受け、大阪Air断モデルハウスの設計も急遽変更。
大阪Air断モデルハウスで検証後に、お伝えしようと考えています。

もちろん、エアコン暖房をメインとする場合は、影響ありません。
寒冷地で、Air断住宅を検討し、その際、燃焼系暖房機器の使用を考えている場合は、ご相談ください。

これらの情報が、これから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。

Air断モデルハウス断熱性能比較結果



東京Air断無断熱材の家
北海道Air断モデルハウス
愛知Air断モデルハウス
断熱性能比較結果!

断熱材厚は、愛知Air断モデルハウス完全外断熱トータル150oが最も厚く、次いで北海道Air断モデルハウスオール100o、東京Air断モデルハウス無断熱材となっています。
断熱材厚だけで考えると、愛知Air断モデルハウスが最も断熱性能が高く、次いで北海道、最後に東京Air断モデルハウスの順になります。

しかし、実際のデータを検証すると、最も断熱性能が高いのが北海道Air断モデルハウス、次いで東京Air断無断熱材の家、最下位が、愛知Air断モデルハウスとなりました。
つまり、断熱性能に、断熱材の厚みや性能は、全く無関係!基礎断熱も不要。
断熱材は、最悪、なくても、断熱性能に影響しない!
安価なアルミサッシでも室内は暖かく、結露しない!
という結果を、実際の家で検証出来た事になります。
ただし、無断熱材の家を推奨するわけではありません。
そして、Air断という対流断熱があってこそ成り立つ性能である事をご理解ください。

私たちが計測する断熱性能とは、エアコン設定温度を一定にして、各部屋の温度を測定、外気温度差による補正を行ない、1か月の平均値で比較しているので、信頼性は高いと考えています。

ただ、本来であれば、最新バージョン東京Air断無断熱材の家が、最も断熱性能が良くなるはずでした。

そうならなかった事には、理由がありました。
それは、ある部分の設計ミス。
そこに気付かず建設。結果は北海道Air断モデルハウスの断熱性能に、僅差で負けてしまいました。

現在建設中の大阪Air断無断熱材の家では、ミスを補正し、最新理論を基にして設計。
出来上がれば、北海道Air断モデルハウスをしのぐ断熱性能になると考えています。


とはいっても、東京Air断無断熱材の家は、エアコン1台だけで、家中どこでも、暖かさを維持しています。
浴室も暖かく、脱衣場も、勝手口付近も、玄関も、2階も、寒さを感じる場所はなく、底冷えもありません。安価なアルミサッシを使用しているのに、結露も一切ありません。
本当に断熱材が入っていないのか?と疑うほど暖かい!それなのに、これを上回る断熱性能が必要なのか?

こんな意見も出ましたが、我々は、事実が知りたいだけなんです。
その事実を、多くの人に伝えたい!
耐震性が必要なのか?
耐久性を高めるには何が必要なのか?
断熱性は、どうすれば高まるのか?
人生で最も高価な買い物を後悔しない為にも、検査屋の威信をかけて、徹底的に調査し、検証して、正しい事実を、皆様にお伝えできればと考えています。

もちろん、私たちが発信する情報が、全て正しいとは言い切れません。
しかし、2014年から続けている実験棟データや、実物モデルハウスデータは、信じるに値すると思います。
そして、私たちの発信する情報が、少しでも皆様の家づくりのお役に立てればと考えています。

東京モデルハウスのQ値、UA値を教えてください!

「東京モデルハウスのQ値、UA値を教えてください!」

ご質問がありました。

東京モデルハウス無断熱材の家 
UA値=3.34   省エネ基準不適合(通常0.87以下を目指します)
Q値 =13.85  断熱性能規定外

です。

数値から判断すると、断熱性能は、圧倒的低性能です。
しかし、
UA値=0.5
Q値=0.8
を誇る、超高気密住宅との比較では、東京モデルハウス無断熱材の家の方が、夏涼しく冬暖かいデータが出ています。

詳しくは、後日別の動画で解説いたします。

室内平均温度比較実験



エントリー1.超高断熱 超高気密住宅
エントリー2.高断熱 Air断愛知モデルハウス
エントリー3.無断熱材 東京モデルハウス

室内平均温度を比較したところ、驚くべき結果が出たのでお伝えします。
比較期間は、9月3日〜9月20日までの 17日間。

各住宅のスペックはこちらです。
住宅検査 ホームリサーチ
各住宅スペック紹介



最も外気温度平均が高かった、愛知モデルハウスに合わせて室内温度を補正したのが下のグラフです。
住宅検査 ホームリサーチ
平均温度比較 補正あり


詳しく解説します。
超高断熱 超高気密住宅の
リビング平均は、27.9℃
2階ホール平均が、27.7℃
エアコンは、リビング、2階の2台体制、26℃設定で24時間運転してるそうですが、日中はエアコン設定温度を、24℃に下げる事もあるそうです。

愛知モデルハウスは、
リビング平均が、25.4℃
2階ホール平均が、25.9℃
リビングエアコンが、26℃設定で、1日19時間運転、2階は2台のエアコンが27℃設定で、19時間稼働
スケジュール運転で、毎日8時から24時まで動いています。

そして東京モデルハウス無断熱材の家では、
リビング平均が、25.5℃
2階ホールが、25.9℃
エアコンは、なんと!1階2階共に、一切動いていません。
エアコンゼロの状態で、24時間2台体制のエアコンが稼働する、超高気密超高断熱住宅よりも低い、19時間エアコンが3台稼働する愛知モデルハウスと同等の平均温度をたたき出しました。

この結果に、設計チームもあ然・・・

このわけを解説します。

東京モデルハウスには、これまでのAir断住宅には無い、新たな換気設計を小屋裏に追加しました。
この換気設計が、小屋裏の熱を効果的に排出し、室内温度上昇を抑え込んだと考えています。
さらなる変更点が、通気層寸法です。
愛知Air断モデルハウスの通気層寸法は19ミリ。
東京モデルハウスでは、ダブルドウブチにする事で、36ミリに拡張。
これらの新設計が、エアコン無しでも、室内平均温度25.5℃に繋がったと想定しています。

「温度補正がおかしいのではないか?」

以下が、補正のない生データです。
住宅検査 ホームリサーチ
平均温度比較 補正なし


愛知モデルと東京モデルの比較が分かりにくくなりますが、超高断熱 超高気密住宅では、最も外気温度が低いにも関わらず、室内平均温度は東京モデルハウスよりも高くなっています。
大量の断熱材で家をスッポリと覆い囲んだにも関わらず、室内温度が断熱材のない東京モデルよりも高くなってしまった理由は、
日中、大量の断熱材が吸収した暑い熱が、夜間冷房の効いた冷たい部屋へゆっくりと流れ込んでいる事が原因だと考えています。
コップ1杯のお湯と、バケツ1杯のお湯、冷めるのが早いのはコップ1杯のお湯ですよね。バケツ1杯のお湯はなかなか冷めにくい・・・
つまり、大量の断熱材を使用する事で、熱を大量に吸収し、その熱をゆっくりと温度の低い室内に放出してしまう・・・

冬は逆転、夜間、大量の断熱材が吸収した冷たい熱が、日中、暖房の効いた室内の熱をゆっくり奪い取る・・・
こう考えると、弊社に蓄積された様々なデータを、うまく説明する事が出来ます。
もちろん、この想定が必ずしも正しいとは言い切れません。
今後も検証を続け報告させていただきます。

追伸:
大阪モデルでは、通気層を限界値の40ミリまで拡張し、小屋裏換気もさらに工夫を重ねて設計しました。完成後にお伝えします。

水分センサーに関して



こちらは、北海道モデルハウスAir断カレンダーです。
温湿度、換気扇稼働状態、そして、壁体内水分センサー値が記録されています。
万が一壁体内水分センサーが反応すると、青色のバーがカレンダーに表示されます
北海道モデルハウスでは、まだ一度も壁体内水分センサーの反応は記録されていません。

こちらは東京モデルハウスAir断カレンダーですが、8月19日に北側壁面で、反応がありました。
こちらの青いバーが、壁内部で水分の発生を示します。
北側に取り付けたセンサーが15時から20時まで反応。
当時雨は降っていないので、結露と考えて間違いありません。
反応と同時に、全てのファンが動いて、結露を抑え込んでいます

そしてこちらは、愛知モデルハウスAir断カレンダーです。
今年は7月10日と、8月15日に反応がありました。

「この程度か!」と思うかもしれませんが、
愛知モデルハウスの2020年がこちらです。
7月は8日間、9月は2日間、10月は2日間水分センサーの反応がありました。

さらにさかのぼり、2019年がこちら!
2月は1日、3月は4日間、4月は7日間、5月は3日間、6月は7日間、7月は18日間、10月、11月はそれぞれ1日、水分センサーが反応しました。
さらにその前の2018年。1月は2日間、5月は2日間、6月は24日間、7月は24日間、8月は8日間、9月は25日間、10月は22日間、11月は7日間、12月は4日間反応しています。
これは全て結露です。
一般住宅では、この発生した結露が長期間とどまり、木部を少しずつ腐食していきます。
しかしAir断住宅では、結露発生と同時に、各ファンが一斉稼働し、通気層の水分を乾燥させます。安心ですよね。

ただ疑問は、なぜ結露が多発する年と、しない年があるのかですよね。

実は、結露の多い年は、決まって台風がたくさん発生しています。
愛知モデルハウスでは、2018年、2019年共に台風が直撃しました。
その後数か月間、壁内部では連日結露が発生しています。

台風が運び込む湿った空気は、思った以上に、結露リスクを高めていると想定しています。

今後も検証を深めご報告させていただきます。