No.291の記事

「超断熱材HR1型、HR2型の性能を詳しく説明してくれ・・・」




「超断熱材HR1型、HR2型の性能を詳しく説明してくれ・・・」
と、ご指摘を受けました。
まずこちらの、冷却実験動画をご覧ください。

同じ大きさの段ボール箱、200o×200o×100oに、
グラスウール10kと、超断熱材HR1型、ロックウールを入れ、中心に温度センサーを配置して、外部5面を保冷剤で冷却。冷却材は1時間毎に、新しい冷却材と交換。
各断熱材中心の温度センサーが変化する時間を撮影した動画です。

一番左の温度計が室内温度。
左から2番目が、グラスウール10k断熱材中心温度
左から3番目が、超断熱材HR1型中心温度
そして、一番右がロックウール断熱材中心温度です。

真っ先に氷点下に達したのは、一番右のロックウール断熱材でした。
時間は32分。


次に氷点下に達したのが一番左の、グラスウール10k断熱材。
時間は1時間9分後でした。
グラスウール10kよりも、ロックウールの方が性能は上ですが、冷却実験での氷点下に達する速度は、グラスウールの方が遅くなりました。
最後に氷点下に達したのが、真ん中の超断熱材HR1型。
時間は4時間28分後
でした。

これを「断熱性能」と呼んで良いのかは分かりませんが、同じ条件で冷却しながら、
グラスウール10kの4倍、ロックウールの8倍遅く熱が伝わる事は、寒さが伝わりにくい!つまり、「断熱性能が高い」と判断出来ると思います。

5時間経過時点で、冷却材を撤去。今度は、室内23℃による加熱実験となります。

グングン温度が上昇するのは、左側グラスウール10k。
冷却材撤去後43分で20℃
に達しました。
次にロックウールが冷却材撤去後1時間10分で20℃に到達。
加熱実験では想定通りでした。
しかしこの時、超断熱材HR1型は7℃しか上昇していません。
超断熱材HR1型が20℃に達したのは、4時間4分後でした。


次の実験は、左側がフェノールフォーム、真ん中がスタイロフォーム、そして右側が超断熱材HR2型となっています。

まず最初に氷点下に達したのがスタイロフォーム。
時間は42分。

次に氷点下に達したのが、フェノールフォーム。
時間は1時間1分でした。
グラスウール10kと変わらぬ速度に少々驚きました。
この時、超断熱材HR2型は、20.4℃をキープ。
このまま5時間冷却を続けましたが、超断熱材HR2型は、10℃までしか下がりませんでした。

次は、保冷剤を撤去しての加熱実験。
真っ先に20℃に達したのが、スタイロフォーム。
時間は1時間後
でした。
次に20℃に達したのが、フェノールフォーム。
時間は1時間45分後でした。

そして超断熱材HR2型が20℃に達したのは、なんと、


13時間後でした。


まとめます。冷却実験では、
ロックウール  32分で0℃
グラスウール10k 1時間9分で0℃
超断熱材HR1型  4時間28分で0℃
スタイロフォーム 42分で0℃
フェノールフォーム 1時間1分で℃
超断熱材HR2型    5時間経過しても10℃をキープ

加熱実験では、
ロックウール  1時間10分で20℃
グラスウール10k 43分で20℃
超断熱材HR1型  4時間4分で20℃
スタイロフォーム 1時間で20℃
フェノールフォーム 1時間45分で20℃
超断熱材HR2型    13時間で20℃

超断熱材HR1型、HR2型が、群を抜いた性能である事がお分かりいただけると思います。
ただし、熱の伝わり方が、極端に遅い超断熱材HR1型とHR2型。
それ故に、結露発生リスクが増加します。
周辺が暖かくなっても、超断熱材HR1型、HR2型は温度が低い。
そこに水蒸気が接触して結露・・・。
だから、Air断システムが必須となります。

すでに超断熱材HR2型は、2022年3月、東京Air断モデルハウスの天井に施工し、昨年との温度比較を行ないました。

こちらが2021年3月20日の、外気温度と、小屋裏温度、そして、1階リビング2階寝室温度です。
そしてこちらが、超断熱材HR2型施工後、2022年3月21日の外気温度と、小屋裏温度、そして1階リビング2階寝室温度です。
暖房は1階リビングのエアコン暖房だけですが、超断熱材HR2型施工後は、1階2階の温度差がほとんど解消できています。
さらに、小屋裏温度は、ほぼ横一線。
超断熱材HR2型の影響だと考えています。
現在経過観察していますが、結露発生もありません。

現在建設中の大阪モデルハウスでは、天井と床下に超断熱材HR2型、壁を超断熱材HR1型にして建設中。
さらに、九州モデルハウスでは、天井、床下、壁全てに超断熱材HR2型を施工して建設する計画です。
計算では、超断熱材HR1型の大阪モデルハウスが、冷暖房費3割削減。
超断熱材HR2型の九州モデルハウスは、冷暖房費5割削減と言う計算結果も出ています。

気になる費用ですが、断熱材費用としては、安価な断熱材費用と変わりません。
ただ、安価な断熱材よりも、精度の高い施工が求められるので、施工日数が伸びます。
施工日数が伸びる分、コストが増加しますが、これまでの実験、実測値から判断すると、十分解消できる効果を得られると想定しています。

大阪モデル、九州モデル共に、年内完成予定。
完成後詳しいデータをご報告いたしますので、ご興味のある方は、Air断マガジンの進捗をご覧いただければと思います。

これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。