No.293の記事

断熱材の遮音性について



「セルロースファイバーは、音が完全に消えると聞きましたが?」
「高性能グラスウールは、防音性が高いと聞きましたが?」

遮音性についてご質問がありました。
他のYouTubeで、セルロースファイバーを使用した騒音実験動画を確認しました。
確かに、「無音」になってますよね。

これを受け、弊社も騒音実験を行ないました。
各断熱材を段ボール箱に入れて、動画のように配置。6面全てが同じ断熱材で覆われています。

内部の空洞に、防犯センサーを入れて、同じ断熱材を入れた段ボールで蓋をします。
この時の騒音計の変化を記録しました。

まずは、グラスウール10kがこちら。
騒音計は73〜76㏈まで低下。

こちらは、グラスウール32k。
騒音計は65〜70㏈まで低下。

こちらは、スタイロフォーム。
騒音計は67〜70㏈まで低下。

こちらは、フェノールフォーム。
騒音計は71〜74㏈まで低下。

こちらは、セルロースファイバー。
騒音計は58〜62㏈まで低下。

最後に、U型断熱材。
騒音計は58〜62㏈まで低下。

セルロースファイバー、そしてU型断熱材が最も静かになりましたが、音が消えているわけではありません。

高性能グラスウールは、スタイロフォームと同等!それほど優秀とは言えない。

他の断熱材では、70〜74db程度。どれも似たり寄ったりだと感じました。

さらに、家の場合、サッシや開口部、吸気口などからの“音漏れ”もあるので、完全に音が消えるという事は無いと思います。
セルロースファイバーを施工した家の最終検査を行なった検査員も、決して無音では無かったと言います。

ただし、完全防音室を作りたい時や、1デシベルでも下げたい時にはセルロースファイバーは有効だと思います。


これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。