断熱等級7vsAir断
家の隙間係数、C値が低ければ、断熱性能が高いと考えられていましたが、そうならない結果に、吉田は疑問を持っていました。
それは、1℃当たりの暖房費!
C値が低ければ低いほど、比例して安価になるはずの暖房費が、Air断北海道モデルだけ比例してません。
もちろん、C値が最も低い0.18のAir断九州モデルは、全方位ジェル断を採用した事で、1℃当たりの暖房費が大幅に下がっています。
しかし、C値2.2 一般的に悪いと言われるAir断北海道が、C値0.38 超高気密住宅に分類されるAir断大阪モデルよりも「1℃当たりの暖房費」が2割弱、安い。
この理由が分かりませんでした。
そもそも、「1℃当たりの暖房費」の計算がおかしいのでは?
しかし、同じエアコン、同じ温度設定で暖房し、それぞれの室内、室外温度から正確に割り出した「1℃当たりの暖房費」を疑うのは早計。
だとしたら、Air断北海道モデルだけに行なった、特別施工が、暖房費を抑えたのか?
しかし、それが事実だとしたら、“特別施工”がとても重要という事になります。
たったあれだけの、簡単な施工だけで?
誰も答えを出せずにいました。
そこで吉田が
吉田「全く同じ大きさ、同じ間取りの、断熱等級7と、Air断の実験棟を横並びに建てて、比較してはどうだろうか?もちろんAir断実験棟には、
北海道だけに行った、特別施工を加えて設計します!
国内最高峰、断熱等級7 VS 特別施工をほどこしたAir断!これを比較すれば、ハッキリ答えをだせるはず」
この意見に経理が猛反発!
経理「何言ってるの?これ以上借金なんて、なに考えてるの?九州が最後って言ったじゃない、これ以上1円も出ませんから・・・」
吉田「そこを何とかするのが経理の役目じゃ?」
経理「できるワケないでしょ、これ以上どこの銀行が貸すってゆ〜の?」
静まり返る会議室の後ろから・・。
専務「面白いじゃない、その話、進めましょう」
経理「エッ、、、、専務ッ・・・・」
吉田「よし、そうと決まれば、自分は設計に入ります」
経理「チョ、チョ、待ちなさい、吉田さん・・せ、せ、専務も、銀行、ホントに無理ですよッ」
専務「大丈夫、任せて、銀行は、私が口説き落とすわッ、最悪私が出してもいい」
経理「エッ、・・・なぜそこまで・・・」
専務「見てみたいの、等級7と、Air断の対決、面白いじゃない」
経理「もし負けたらどーするんですか?」
専務「その時は、なにかが、間違ってるって事!それを突き詰めるのも、私たちの仕事じゃない・・・」
こうして、同じ大きさ、同じ間取りの国内最高峰 断熱等級7 対 Air断 実験棟建設がスタート。
しかし、立ちはだかったのは、断熱等級7の設計と施工でした。
安価に済ませようとしても、安易には断熱等級7をクリアできません。
天井には400o高性能断熱材、
壁内部にも、高性能断熱材、更に外断熱として、最高級断熱材ネオマフォーム100oを使用。トータル壁厚は250oにも達します。
床下にもネオマフォーム100oを施工し、その上に合板を敷いて、さらに、ネオマフォーム50oを施工。
トリプルガラス、樹脂サッシを使用する事で、ようやく断熱等級7をクリア。
しかし次なる問題が、施工方法!
外断熱100oを支える為に、特別な基礎や施工が必要となり、断熱関連費用は隣のAir断実験棟の7倍以上に膨らみました。
更に、同じ大きさで設計しても、100o外断熱の影響で、一回り大きく見えます。
吉田「こ、こ、これが断熱等級7・・・・かぁ・・・勝てるわけ、、、ねぇ」
誰もがそう思う、吉田でさえ弱音をもらす、建築途中のそれは、ほぼ高性能断熱材のカ タ マ リ。
どう見ても、勝ち目のない勝負!
しかし、これまでのデータを検証する限り、この、高性能断熱材のカタマリに、勝てる事なってます。
詳細は、Air断マガジンで、随時報告させていただきます。
建てて良かったをすべての人に・・・
Air断っていくらかかるの?
Air断っていくらかかるの?
本体諸々で、160万円かかります。更に、換気扇が25台ほど。
トータル190万円ほどかかってしまいます。
しかし、防蟻剤塗布が不要なので20万円が不要。
高価なサッシが不要なので、70万円が不要
基礎断熱が不要で、50万円が不要
高性能断熱材も不要になるので100万円ほど減額になります。
トータルすると、Air断を入れた方が、50万円安くなる計算。もちろん弊社が都合よく計算してるとも言えますが・・・。
更に防蟻剤再塗布も不要。この費用が大きい!
木材乾燥を促すので、耐震性も下がりにくく、家が長持ち。これもポイントが高い
そして、外壁に藻が付きにくいので、塗り替えが発生しにくい。これも大きい。
家庭臭やホコリが少ない環境まで考慮すると、コスパ最強だと思います。
詳しくは“Air断”で検索か、概要欄をクリック
建てる場合「Air断出来ますか?」とメーカーにご相談下さい。
「上昇気流が発生してる動画を見たのですが?それでも上昇気流は発生してませんか?」
「上昇気流が発生してる動画を見たのですが?それでも上昇気流は発生してませんか?」
問い合わせがありました。
ご指摘の、上昇気流が発生しているYouTube動画も確認しました。
模型の屋根を、投光器で温めている動画でした。
ただ、動画のように、模型の屋根だけを直接温める事が出来れば、実際の家でも上昇気流が発生するかもしれません。
しかし、太陽は、広範囲を、同じように温めます。
動画のように、他の部分は温めず、目標となる屋根だけを温める事が、まず不可能だと思います。
上昇気流とは、周囲よりも温度が高い空気が上昇する事だと言われます。
太陽光が当たるエリアは、一様に温度が上がり、そこに接触した空気は上昇します。
しかし屋根内部や、壁内部は、太陽光が直接照り付ける表面よりも温度が低いので、上昇するほどの温度に達しないと思います。
もちろん、実験のように、屋根だけを直接温める事が出来れば、局部的に温度が上昇するので、上昇気流が発生すると思います。
しかし、実験動画と同じような状況が、実際の家で起きるとは思えません。
更に、日没後は、全く上昇気流が発生しません。
通気層が最も対流を必要とするのは、結露が発生する夜間です。
日没後、放射冷却の影響で屋根材が冷え、通気層内部に結露が発生した時こそ、
「上昇気流」の様な対流が必要ですが、この時、普通の家では、通気層に対流が発生する事はありません。
これが壁体内結露に直結します。
屋根材や外壁材が、放射冷却の影響で、周辺よりも温度が下がると、通気層や、構造用合板も温度を失います。
温度を失った構造用合板内部に、内部の空気が接触する事で結露。
これが、最も怖い、壁体内結露と言われています。
壁内部で結露が発生すると、その結露水は蒸発する事無く、長期間その場に存在します。これが、家を内部から破壊する「木部腐食」に繋がります。
Air断は、ファンを強制的に動かして、通気層に対流を発生させます。
冬季、室内を暖め、役目を終えた空気を通気層に送り込むことで、放射冷却で温度を失う外壁材の温度低下を抑制。
外壁温度が、下がりにくいので、結露も発生しにくくなります。
「上昇気流が、一切発生していない」とは言いません。
ただ、通気層に最も対流が必要な時に、上昇気流は発生していないと思います。
ご理解いただければ幸いです。
結露に関して!
結露に関して!
Air断愛知モデル、結露発生!
2月の結露は久しぶりでした!
反応したのは、6番と12番センサー。
これは屋根の瓦下に設置したセンサーです。
瓦下なので、どうすることもできません。
が、問題になる部分でもありません。
こちらはAir断大阪モデルの結露!
2月5、6、7、11、12日と結露が発生しています。
水分を検知したのは、全て10番センサー。
つまり、10番あたりの通気が不十分!ということになります。
同時に、近くのファンが稼働して、数時間後には反応が止まります。
しかし、Air断愛知モデルの結露は屋根材、瓦の下なので、どうすることもできません。
もちろんこれは、通常起こり得ることなので、問題ではありませんが、対流で乾かす場合と、そうでない場合の違いが分かればと思って、報告いたします。
Air断愛知モデル、2月13日、屋根瓦下の12番センサーが、10時ごろ水分を検知!
この時はすぐに乾いたようです。
しかし翌日2月14日も、前日と同じように反応。
そして翌日、2月15日、反応が大きくなりましたが、翌日には収束。
しかし、2月17日、微妙に反応し始め、2月18日は反応が大きくなり、2月19日は12番センサーに加えて、6番センサーまで反応。
20日止まったかに見えた反応が、21日再び反応…
対流が発生しないと、このように長期的に、ダラダラと反応が続きます。
これが、壁内部、屋根裏、床下だったら、木部に接触した結露水が腐食を促進。
木部の耐力が大幅に低下することで、耐震性を失う結果にも繋がります。
これが結露リスク!
大切な家を、住人が気付かないうちに、家内部から破壊する厄介な奴!
(大嫌いですが、ゴキブリの方が100倍マシ)
更に、気密を高めた最近の家では、この結露リスクが増大。
壁内部、小屋裏、床下で発生します。
こちらは、Air断愛知モデル、過去9年間に結露が発生した日です。
青ラインが、結露が発生した日です。
そして、ピンクラインは、結露リスクが高まっている日です。
2016年はこんな感じ、この年は、ピンクラインの計算を行なっていなかったので、ピンクラインは表示されていません。
こちらが2017年、ピンクライン表示開始、ほぼほぼ、ピンクラインが点灯するほど、結露が発生しやすいエリア。
青ラインもチラホラありますが、全て6番、12番センサー。
つまり屋根瓦下部分のセンサーです。
結露しても、問題ではない部分です。
次が2018年、一気に青ラインが増加!
青ラインが点灯したのは合計118日間。
1年の3分の1で、結露が発生したことになります。
台風の直撃を受けた年で、湿度が高かったことが影響したと思います。
これが、壁内部、屋根裏、床下だとしたら、最長5カ月間、水に濡れていることになり、どんな木材でも腐食します。
次が2019年、ピンクラインは年中表示され、結露リスクが高いことを示します。
青ラインも44日間点灯。
次は2020年。
ピンクラインは依然多いですが、青ラインは激減。
年間12日しか点灯しませんでした。
翌2021年も青ラインは、4日のみ点灯。
2022年は、年間2日だけ点灯。
最も少なかった年です。
2023年は、22日間点灯。
そして2024年、2月22日現在で、3日間点灯!
このように、外気湿度によって結露発生リスクは変化します。
そのリスクに合わせて、ファンを動かし、結露を抑制するのがAir断です。
Air断でない場合、年に1〜2回、小屋裏、床下を点検して、木材腐食状況を確認することをお勧めします。
「腐食してたらどーするんだ?」
「熱伝導率が低いほうが、断熱性能は高まると決まってるはずですが!」
「熱伝導率が低いほうが、断熱性能は高まると決まってるはずですが!」
とご質問がありました。
決してそうではないと思っています。
熱伝導率が低い断熱材は、熱の伝わり方が遅い断熱材です。
熱伝導率が低ければ低いほど、熱の伝わる速度が遅れます。
しかし、時には、早く伝わってほしい熱もあります。
冬の寒さは、遅く伝わるほどエコになります。
しかし、冬、外が暖かくなった場合、早く伝わったほうがエコです。
「冬、0℃から1℃に上がっても、所詮寒い温度、伝わらないほうがいい」
と言う人がいますが、それは違います。
冬、室内を暖房していて、少し寒さを感じた時に、設定温度20℃から21℃に、1℃上げる事があると思います。
この1℃と、外気温度が0℃から1℃に上昇する1℃は、同じです。
もちろん、室内を20℃から21℃に上げる1℃よりも、
家周辺を0℃から1℃に上げる1℃の方が、エネルギー的には膨大ですが、温度は同じ。
つまり、外気温度が1℃でも上昇したら、それが素早く室内に伝わる方がエコ。
エアコンはその分エコな暖房に切り替わります。
つまり、熱伝導率が低い断熱材は、冬、温度が下がる時にエコになります。
しかし、冬、温度が上昇する時にロスが発生するので、トータルで考えれば同じです。
逆に、熱伝導率が高い、安価な断熱材は、冬、温度が下がる時にロスになりますが、
冬、温度が上昇する時にエコになるので、トータルで考えれば同じ。
コストを考えると、安価な断熱材のほうが“お得”だと判断出来ます。
これが、「熱伝導率が低いほうが、断熱性能が高まる」わけではない理由だと言われています。
更に、熱伝導率が低い断熱材は、熱伝導率が高い断熱材と比べて、どれくらい遅いのか?実験しました。
こちらは、一般的な家を、35分の1にした縮尺模型です。
熱伝導率0.03のスタイロフォームと、熱伝導率0.02のネオマフォームで作りました。
室内14℃の状態から、-20℃の冷凍庫に投入すると、
熱伝導率0.03のスタイロフォームは5分後に10℃低下。
熱伝導率0.02のネオマフォームは7分後に10℃低下。
つまり、熱伝導率0.03の断熱材と、熱伝導率0.02の断熱材とでは、2分程度の差しか発生しない!
もちろん、実際の家では、外壁や、室内家具、家電などがあるので、
同じ速度にはならないと思いますが、断熱材の温度変化を知るうえでは参考になると思います。
こちらは、熱伝導率0.067、ジェル断で作った、35分の1縮尺模型です。
室内14℃の状態から、同じように-20℃の冷凍庫に投入。
10℃下がったのは、なんと、67分後でした。
更に、-1℃、氷点下まで下がった時間は、
熱伝導率0.03のスタイロフォームが7分後、
熱伝導率0.02のネオマフォームが10分後、
しかし、
熱伝導率0.067のジェル断は、683分、つまり、11時間と23分後でした。
まさに桁違い、熱が伝わる遅さは、モンスター級!
これが、「熱伝導率が低ければ、断熱性能が高い」とは言い切れない理由です。
ジェル断のように、熱を伝えにくくする工夫!
そしてAir断のように、熱の流れそのものを変えて、熱を伝えない工夫!
こそが、断熱性能に直結するトリガーだと考えています。
これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。
換気扇を付けるとドアが開けにくい!は危険!
換気扇を付けるとドアが開けにくい!は危険!
換気扇を付けて、ドアが開けにくい場合は、気密性が高い証拠ではありません。
吸気が足りない証拠です。
吸気口を閉じている場合は、吸気口を開けてください。それでもドアが開けにくい場合は、吸気が全く足りていません。
吸気が足りていない場合、換気扇をどれだけ回しても排気しません。
これはかなり危険。
室内換気が全く出来ない状態。
しかし、吸気口を開けると、放射冷却によるキンキンに冷えた冷気が室内に入り込み、床面をキンキンに冷やす底冷えが発生!
ところが、吸気口を閉じても、キンキンに冷えた冷気は、吸気口伝いに室内に入り込んできます。
どうにか出来ないか?
そこで考えられたのが、特許を取得したAir断。
吸気口が床下なので、キンキンに冷える冷気の影響を受けません。
だから、極寒北海道でも、エアコンだけで暖かい!
石油ストーブ1台だけでも、全室夏のように暑い・・・