No.220の記事

底冷えのメカニズムを解説



C値0.1を達成した超高気密住宅で底冷え。

こだわりぬいた超高気密住宅、計測した値は、C値は0.1。
業界関係者も驚くC値をたたき出したものの、廊下で、脱衣場で、あちこちで底冷えが発生。

「心から落胆しました・・・」と語る工務店社長。

C値0.1、業界最高水準の超高気密住宅で、なぜ底冷えが発生するのか?
その発生メカニズム、そして、Air断が底冷えを回避する仕組みを解説します。

底冷えの主な原因は、コールドドラフト現象と呼ばれる冷気による下降気流だと言われています。
どれだけ気密性能がアップしても、底冷え、つまりコールドドラフト現象を回避することは出来ません。気密性能と底冷えは無関係だからです。

まず、底冷え、コールドドラフト現象のメカニズムを解説します。

冬は、サッシやガラスが冷たい外気に接触して冷やされます。
冷えたサッシやガラスに室内の空気が接触。
接触した空気は、すぐに冷たく冷やされ、下降気流となって下へ下がり、床一面に広がります。

この床一面に広がる冷たい空気が、”底冷えであり、コールドドラフトと呼ばれる現象です。

サッシやガラスで発生したコールドドラフト現象は、サッシやガラス一面を冷たい気流が覆って、暖気を寄せ付けません。暖かい空気と冷たい空気は混ざりにくい事が理由です。

サッシやガラスは冷気で覆われ、室内の暖気が接触出来ません。
暖気が接触しないので、サッシやガラスは外気同等まで温度が下がります。
この冷えたサッシやガラスに、室内の水蒸気が接触。一気に冷やされ水へと変化。
これが結露です。

さらに、床に広がった冷気は、床を冷やし、底冷えを発生させます。
そして、床一面に広がった底冷えの空気層は、暖気と混ざり合う事なく、逆に暖気を跳ね返します。これも暖かい空気と冷たい空気が、混ざりにくい事が理由です。
エアコンでどれだけ暖めても、底冷えの層は、暖気を跳ね返し、床面に到達できません。
暖かい空気と、冷たい空気、2層に分かれて鎮座し、冷たい空気は床面を徹底的に冷やします。
これが底冷えの主なメカニズムと考えられています。
だからこそ、床下の断熱材をどれだけ高価なものに変えても、基礎断熱をどれだけ行っても、どれだけ気密性能を高めても、底冷えの解消には繋がらないわけです。底冷えは、床下からではなく、サッシやガラスそして、壁から発生しているわけですから・・・。

そこで考えられたのがAir断です。

Air断は、このコールドドラフト現象で発生する下降気流を、壁に取り付けた換気扇で通気層へと吸い出します。
直接吸い出す事で、床を覆ったり、サッシやガラスを覆う下降気流が無くなります。
すると、室内の暖気が床やサッシ、そしてガラスに接触。
サッシやガラスを直接温めるので、温度が上昇し、結露が発生しにくくなります。
さらに、床に溜まる冷たい空気層が無くなるので、エアコンの暖気が直接床に届きます。床に届いた暖気は、床を暖めるので、底冷えの解消に繋がります。
「Air断」が暖かい!と言われるのは、このコールドドラフト現象の発生を抑えるからだと考えられています。

外気温1℃まで下がった状態で、窓際に置いた温度計を動画撮影しました。
温度が下がりやすい窓際でも、22℃を保つAir断住宅。
マイナス18℃まで下がる北海道でも、エアコンだけで室内24℃をキープし、底冷えは一切ありません。さらに、室内で鍋を楽しんでも、数人で同じ部屋に寝ても、一度も窓が結露した事がありません。

必ずしも、この解説が正しいとは言い切れませんが、愛知、北海道、東京モデルハウスのデータを見る限り、高い確率で正しいと考えています。
今後も各モデルのデータを解析して、ご報告させていただきます。