No.241の記事

「床下に熱は無い!」 大学教授の指摘で、熱源の正体を発見・・・



2015年当時、Air断初物件で、真冬の床下温度が14℃を下回らない「原因」が不明でした。
「床下に熱源がある!」
と考えるしかなかったのですが、その熱がどこから来てるのか?が分からなかった
んです。

その噂を聞きつけたのが、元静岡大学の高信教授です。
静岡で有名な全館空調工法の開発に尽力した教授でした。
現在は退職して、福島県に住んでいます。

高信教授から、「地盤表層には熱は無い、それは100か所以上の調査で証明している。もちろん、地盤下5m以下には、20℃前後の恒温層がある事は分かっている。しかしその熱は利用できない。この14℃を下回らない床下の熱は、暖房の熱が床下に流れていると考えるべき」
鋭い指摘を受けました。

我々は、2016年2月12日のデータをお見せして、
「2月11日から13日まで、モデルの暖房を全て停止させた時のデータがこちらです。
特に12日は、室内温度が8℃台まで低下しています。
しかし、床下の温度を見てください、14℃もあるんです。
暖房熱が床下に逃げているとは考えられません、暖房してないんですから」

と反論。

「しかし、我々が調査した100か所以上の地点の地盤温度は、熱などなかった。
10℃でも熱があれば、それは凄い事だよ!それが14℃もあるなんて考えられない・・・」

首をかしげる教授に

「教授達はどこを測定したんですか?」

「もちろん地盤表面から50p下だよ!100か所はゆうに超えている。海沿い、山、様々な表面温度を測定して、外気と同じ温度を確認したんだ。温度センサーも、もっと高性能なセンサーを使ってる。間違っている事はない」

自信満々に言い切る教授に放った一言が、全てを解決しました。

「教授、そこに、家は建ってましたか?」

「家など建ってないよ、家が建ってる床下なんて計れるはずもない・・・」

「今、我々がお見せしているのは、家が建った状態の床下温度ですよッ」

「エッ・・・・。
アッ、家が熱を遮ってるって事?2階建ての家が、熱を遮断してるって事?
アッ、そうかぁ・・・・
家かぁ・・・・
そうだッ・・・・
家だッ・・・・家が熱を遮断してるんだッ

これが、「恒温層」と繋がる床下熱の原因でした。

「あんたたち、これ、大発見だよ!家かぁ、家が熱を遮断してたんだぁ・・・気付かなかった、たまたまとはいえ凄い・・・。!分かった!謎が解けた、ありがとう!あの時気付いていれば・・・・いや、本当に凄い・・・」

笑顔で帰って行かれました。
嫌味なオッサンだなぁ!と思いつつも、教授の鋭い指摘があったからこそ、床下熱の原因を知る事が出来たわけです、今では感謝しています。
これがきっかけとなり、床下温度を正確に推測する事が可能になりました。
家のどのあたりが、床下熱が最も高い場所なのか?推測する事も出来るようになりました。
そして、北海道モデルハウスの建設に自信を持てました。
そして、北海道でも、床下には外気より10℃以上高い熱が蓄えられていました。10℃の熱ではありません、外気より10℃以上高い熱です。
この熱を活用して換気するからこそ、Air断は、エコな冷暖房を可能にしています

教授、あの時はありがとうございました。
そして、この情報が、皆さまのお役に立てれば幸いです。