No.301の記事

住宅検査について詳しく教えてほしい



「住宅検査について詳しく教えてほしい」

問い合わせがありました。
ありがとうございます。
ホームリサーチが行なう住宅検査について詳しく解説させていただきます。
まず2タイプ存在します。
工務店自らが依頼する検査と、お客様が依頼する検査です。
しかし、内容は同じです。

そもそも、住宅検査が必要なのか?という部分から説明します。
現在様々な製品があふれる中で、「不良品」は激減してますよね。
家電、パソコン、スマホ、・・・映らなくなった、動かなくなった!などの経験は少ないのではないでしょうか?もちろん耐用年数を超えての、映らない、動かないは別として・・・

「壊れない」事が当たり前の日本製品。不良品は存在しないのでしょうか?
いいえ違います。
例えば、パソコンの心臓部、最新シリコンチップでは、7割が良品、残り3割が不良品だそうです。
もちろん、良品を、8割、9割に高める努力はするそうですが、10割、100%にはならない。
その手間暇よりも、不良品を確実に見極め、良品のみを出荷する方がコストがかからないそうです。
フルオートメーション製品であっても、不良品が発生するということは、人の手が介在すれば、なおさら不良品の確率が上昇。良品7割にも届かなくなります。
つまり3割以上の不良品が出る事は、モノづくりにおいて当たり前であり、
不良品を見極めて良品だけを出荷する技術こそ、「壊れない」日本製品のポイントなのではないでしょうか?

建築においても、同様で、不良を見つけ出すことが、良を作り上げるポイント!

こちらは基礎配筋の写真です。
あちこちにサビた個所が見受けられますよね。
ここにも、ここにも・・・
しかしこのサビ、建築基準法違反ではありません。このまま工事を進めても、問題にはなりません。
しかし、超長期で考えると、サビの影響が出ないとは言い切れません。
ご存知でしょうか、工務店の責任は引き渡し後10年であることを。そして、このサビが問題になるのは、責任期間が終了した10年以降。
つまり、10年経過後、錆の影響でひび割れしても、工務店の責任ではなく、お客様負担の手直し…となるワケです。

こちらは、同じ配筋の写真ですが、サビ一つ見当たりません。
これが“無サビ配筋”と言われる基礎配筋。
良質の基礎コンクリートが出来上がるのは当然ですよね。

しかし、コンクリートが打たれた後では、サビを見つけ出すのは不可能。
そして、10年経過後に基礎コンクリートがひび割れしたら、その原因は、もしかしたら配筋時のサビなのかもしれません。
この2種類の基礎配筋、お客様ならどちらを選びますか?
私なら、「無サビでお願いします」と伝えます。

こちらの動画は、1階天井裏です。
うっすらとホコリが溜まってますよね。

天井裏一面に、この、粉がうっすらと・・・
原因は、内装材をカットする時に、集塵機を使用しているか、否かです。
集塵機を使用しない場合、室内に粉が舞い上がり、それが天井裏にうっすらと積もる・・・
「目に見える場所ではないから、問題ない」

と思うかもしれませんが、私なら嫌です。
新築住宅で、天井裏一面に、粉があるなんて!

何かの拍子に舞い下りたら?
幼い子どもたちのシックハウスに繋がるかもしれない。
こんな事を考えながらの生活は耐えられません。
まして、長期ローンで叶えた夢のマイホームから、こんなストレスを受けるなんて、考えたくもありません。
もちろん、建築基準法では、全く規制されませんし、違法でもありません。
でも、生理的に受け付けない人が多いのではないでしょうか?

こちらは、床下地合板ですが、全体的に黒ずんでますよね。
これは、雨にさらされて、合板の接着成分がにじみ出た結果だそうです。

こちらをご覧ください。合板を水に付けておくと、水が真っ黒に変色してきます。
合板の接着成分が抜け出し、合板本来の耐力が低下していると想定できます。

ちなみに、この物件は、弊社の検査をしておりません。
工務店は、「問題ありません」との返事で、このまま工事を進めたそうです。新築中のお客様が、心配になって送ってきた写真です。
弊社が、この写真を合板メーカーに確認すると、取り換えなければ本来の耐力は保証できない!との事。
「5〜6年で問題になるとは思えませんが、超長期では問題です!ボロボロになる可能性がある・・・」と担当者は語っていました。

これも、建築基準法では規制されません。つまり、違法ではない。

しかし私たちは、これらを「不良」と判断します。
建築基準法を基準にすると、「不良」はほとんど発生しません。
私たちは、建築基準法に加え、住まい手への配慮、隣地住民への配慮、超長期的配慮、そして技術力の水準をベースとして「不良」を判断しています。

もちろん、これを嫌がる工務店が多いのも事実。しかし、それがお客様の利益に繋がると信じて、細かい指摘を続けています。
つまり、
安心できる工務店に依頼する事が、安心できる家には繋がらない。
チェック体制を構築している工務店だからこそ、安心できる家に繋がるとご判断ください。

冒頭に申し上げた、工務店依頼と、お客様依頼の検査。同じ検査ですが、工務店依頼は、工務店側が良品だけを送り出そうとしている姿勢。
お客様依頼の場合、工務店側にチェック体制が無く、不安なお客様が依頼するケース。
性質が違う事をご理解ください。

ただし、弊社が検査を行なったからと言って、100%問題が無いとも言い切れません。しかし、2次チェック体制は、かなりの問題点を見つけ出します。
ご期待に沿えると思っています。


最後に検査料金ですが、1回3万円、10回検査を推奨しているので、1物件30万円が検査料金。
「高い」
と思いますよね。
30万円は、洗濯機と冷蔵庫が買える金額。
エアコンなら3台買えるぐらいの金額。
要所だけの、5回検査でも、15万円。
安い洗濯機と冷蔵庫ならギリ買える。
安価なエアコンなら、ギリ2台買える。

この費用を住宅検査にかけるべきか、それとも住宅検査を導入している工務店を選ぶべきか?それとも、検査せずに工務店を信じるか?
悩みますよね。

そこでご提案するのが、人工知能検査アプリベルソナです。
ベルソナをインストールして物件を撮影すれば、あらゆる問題点を瞬時に表示。
アンドロイドスマホのみの対応ですが、料金は1物件1万円。
新築物件に出向いて、パシャパシャ撮影すれば、様々な問題点を教えてくれます。

「サビ注意!」
「切断切りカス注意!」
「シミ注意!」
終わってからでは難色を示す工務店も、途中であれば、必ず修正してくれると思います。
一生に一度の夢のマイホームですから・・・。

住宅検査に関して、ザックリと説明させていただきました。
もちろんご依頼前には、さらに詳しくご説明させていただいています。
弊社にできる事、できないことを、細かく説明、ご納得いただいた上で検査をさせていただいています。

これらの情報がこれから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。