No.318の記事

ジェル断への質問!耐震性に影響しませんか?



ジェル断への質問!

ジェル断に関して、
「重いジェル断が、小屋裏に入ることで、耐震性が落ちるのでは?」
とご質問がありました。

屋根が重くなればなるほど、耐震性は下がります。
そのため、地震国日本では、屋根を軽くする対策が取られてきました。
そんな対策と矛盾するように思えます。
しかし、こちらの模型実験をご覧ください。
10分の1スケールで組み立てた家の模型に、阪神大震災と同程度の1Gの衝撃を与える実験です。

片方には8キロのレンガを載せ、もう片方には、8キロのジェル断を載せて実験しました。
10分の1スケールの体積は1000分の1なので、実際の家に換算すると、8トンの荷重がかかっていることになります。

8キロのレンガの模型は、1撃で破損。
レンガの固有周期により、共振しているのがおわかりいただけると思います。
共振とは、模型が、グラグラと揺れ続ける現象。
衝撃後の映像をもう一度…
この揺れが、共振です。この共振が被害を拡大させます。
2撃目で、共振が更に拡大し、筋交いが破損。
3撃目で、半壊に近い状態。
4撃目で、倒壊寸前。
5撃目で、倒壊。

しかしジェル断の模型は、同じ衝撃を15回与え続けても、破損することはありませんでした。
これは、荷重のジェル断が、カウンターウエイトになっている為だと判断しています。
液体であるジェル断は、衝撃を、形を変えることで吸収。
共振を起こさず、揺れに対して反対方向に荷重がかかっている事が、スロー映像から見て取れます。

天井と壁に入れ込むジェル断は、それぞれが自在に動くので、通常の固定される荷重での計算は該当しないと想定します。
更にジェル断は、在来工法土壁よりも2割軽い荷重なので、耐震性を下げることにはならず、逆に揺れを抑える効果があると考えています。

これらの情報が、これから家を建てる人のお役に立てれば幸いです。