No.323の記事

「床下は、最も湿気が多い場所。 そこから空気を取り入れたら、室内がカビだらけになるはず!」

住宅検査 ホームリサーチ
「床下は、最も湿気が多い場所。 そこから空気を取り入れたら、室内がカビだらけになるはず!」



「床下は、最も湿気が多い場所。
そこから空気を取り入れたら、室内がカビだらけになるはず!」

とご意見をいただきました。
まず、「床下は湿気が多い」から説明させていただきます。
床下は湿気が多いわけではありません。
仮に、「床下は湿気が多い」と仮定した場合、その湿気はどこから来るのでしょうか?
基礎コンクリートの水分?
それとも、地盤下から湿気が上がってくるのでしょうか?

湿気は水蒸気です。
水蒸気は、水分が蒸発したもの。
湿気が多いと言う事は、水分が蒸発する熱源などがあるはずです。
しかし、基礎コンクリートや、その下の地盤には、太陽光が当たらず、風もほとんど吹かない場所です。
熱源が無い場所で、水分が蒸発する事はほとんどありません。

そして、弊社の計測した限りでは、床下は、外気と同じ湿度状態を維持しています。
ではなぜ、「床下は湿気が多い」と言われるのか?

それは、夏、床下で結露が発生しているからだと判断しています。
基礎コンクリート表面で発生する細かな結露が、湿度を高めていると考えています。
この結露は、床下の湿気が多いからではありません。
夏の床下は、家の中で最も温度が低い場所。

Air断東京モデルハウスでは、外気温度が40.1℃を記録した2022年8月24日、床下温度は、なんと、27℃です。
「エアコン設定温度28℃」と言われる中で、エアコンもない床下では、外気が40.1℃まで上昇する日でも、27℃しかありません。8月の平均床下温度は、なんとなんと、26.5℃。
この冷たさゆえに、床下で結露が発生。ジメジメした感じを受けるのだと思います。

では、なぜ床下が冷たいのか?
それは、床下に眠る熱源が原因です。
床下のさらに下、地盤下5m付近には、夏でも冬でもほとんど温度が変化しない「恒温層」と呼ばれる蓄熱温度層が存在します。
この蓄熱温度層は、エリアによって変化しますが、関東、関西、中部エリアであれば、20℃前後だと言われています。

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「床下は、最も湿気が多い場所。 そこから空気を取り入れたら、室内がカビだらけになるはず!」



Air断東京モデルの場合、外気が40.1℃を記録した2022年8月24日、床下温度が27℃、更にその下、1m付近は、24.7℃、更にその下1.5m付近は、22.6℃のひんやりした熱があります。
これが、床下が冷たい理由です。

もちろん冬季は、逆転します。

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「床下は、最も湿気が多い場所。 そこから空気を取り入れたら、室内がカビだらけになるはず!」



こちらは、同じくAir断東京モデル、外気がマイナス4.2℃まで下がった2023年1月26日、床下温度は最低が12℃、更にその下1mは、14.1℃、更にその下1.5mは、16℃の熱が存在します。
これが、「床下は、夏最も温度が低く、冬最も温度が高い場所」とお伝えしている理由です。
決して床下は湿気が多いわけではありません。地盤から湿気が上がって来てるワケではありません。
夏温度が低い場所なので、結露が発生しやすく、発生した結露により湿度が上昇していると理解すべきだと考えています。

Air断は、床下の湿度が高まると、自動でサーキュレーターを動かして、結露を抑制。
風が流れる場所では、結露は発生しにくく、発生したとしても、対流により乾燥を促します。洗濯物に扇風機の風を当てると、乾きが早いのと同じ理屈です。

床下は、決して湿気が多い場所ではありません。
夏は温度が低く、冬は温度が高い場所です。
この熱を有効活用する事が、エコな冷暖房に繋がると考えています。