No.326の記事

通気層に、上昇気流は発生してないのですか?

通気層に、上昇気流は発生してないのですか?

ご質問を受けました。

弊社が測定した物件では、通気層に上昇気流は発生していませんでした。
もちろん、ゼロとは言いませんが、気流と言えるような流れは測定できませんでした。

仮に上昇気流が発生していると仮定した場合、通気層内部が、外部より温度が高い!と言う事になります。
通気層部分は、外壁の内側です。
外壁が最も温度が高く、通気層部分は、外壁部分よりも温度が低くなるのが通常です。
温度が低い通気層部分で、上昇気流が発生するとは考えられません。

屋根も同様で、屋根材表面は60℃を超える高温になりますが、屋根材下の通気層部分は、弊社が測定した限りでは、60℃を超える事はありませんでした。
そしてこの時も、風の影響で秒速0.3メートル程度の微風を測定しましたが、上昇気流と呼べる対流は、計測出来ませんでした。

「上昇気流が発生していない」とは言い切れませんが、発生したとしても、それが何かの手助けになるような対流ではないと判断しています。