No.349の記事

「ドアが開けにくいほど、気密性が高いという事ですか?」



「ドアが開けにくいほど、気密性が高いという事ですか?」
と、ご質問がありました。

玄関ドアが開きにくいのは、気密性が高いワケではなく、吸気が足りていない状態です。
想定の換気が出来ず、壁体内結露リスクが高まり、木部腐食にも繋がる危険な状態と言われます。
もちろん、吸気口を開ければ、解消されると思いますが、今度は冬の寒さが室内を襲います。
吸気口から入り込む外気は、冬の外気よりも冷たいと言われています。

特に雲のない冬季の夜間は、放射冷却が進行。
屋根材や外壁材が一気に温度を下げます。
日本では、最大20℃下がる事もあるそうです。
つまり、外気が5℃の時でも、屋根や外壁表面は、-15℃にまで下がってしまう。
この冷たい外壁に接触した、冷気が、24時間換気の吸気口から室内へと入り込みます。

室内に入り込んだ冷気は、一気に床面に沈殿。強烈な底冷えを発生させます。

たまりかねて、吸気口を閉じると、「ドアが開けにくく」なり、知らず知らずのうちに、
家庭臭がきつくなり、壁体内結露を誘発して、家の耐震性を下げる事にも繋がります。

更に、吸気口を閉じたからと言って、強烈な底冷えから逃れられるワケでもありません。
直接入り込まなくても、壁伝いに冷たさは伝わります。
どんなに高性能な断熱材を使っても、確実に熱は伝わり、底冷えとなって室内の床面を冷却します。
この強烈な底冷えを抑え込むには、現状では、Air断しかありません。
Air断は、壁の吸気口から空気を取り入れていません。
床下、家内部通気壁を通って、1階天井部分から空気を取り入れる事で、放射冷却の影響を回避。
更に、壁に接触して入り込む冷気を、各所の換気扇が真っ先に吸出し、底冷えの原因となる冷気を、通気層へ排出。
極寒北海道でも、エアコンだけで、家中を暖めます。リビングだけではありません、
キッチンも、お風呂も、脱衣所も、トイレも、2階の部屋も、そしてクローゼットまで、まさに家中を暖めます。



気密性は高める必要があります。
しかし同時に、室内換気も重要。

「ドアが開きにくい!」
場合は、吸気が十分ではない事をご理解ください。

これらの情報が、これから家を建てる皆様のお役に立てれば幸いです。