ダクトレス熱交換換気扇を使用してはとご質問がありました
ダクトレス熱交換換気扇を使用しては?とご質問がありました。
熱交換換気扇とは、冷暖房した室内空気の、「熱」を捨てる事なく、空気だけ交換する換気扇です。
その際、専用ダクトが無いタイプを、ダクトレス熱交換換気扇と言います。
原理はいたってはシンプル。
熱交換フィルターに冷暖房した空気の熱を溜め、そのフィルターを通して空気を取り入れるので、熱を捨てずに、空気だけ交換出来るというもの。
しかし、デメリットが多いのが現状。
まず、冷暖房した空気の熱をため込む場合。
冬季、エアコンなどの暖房機器は、1時間に1000㎥の空気を放出します。
ダクトレス換気扇は、1時間に70㎥の空気を熱交換するので、1000㎥のうち、70㎥の熱交換が可能です。つまり7%の空気熱を回収。
しかし、エアコンから放たれたばかりの、温度が高い空気を熱交換するワケではありません。
壁に取り付けられた、熱交換換気扇は、エアコンから放たれ、部屋中を駆け巡った、温度が低下した空気を、熱交換する事になります。
エアコンから吹き出る空気は、吹き出し口で55℃程度。
それが部屋を暖め、熱交換換気扇が吸い込む時には15℃前後まで温度が下がるそうです。
この時の温度ロスを計算すると、73%ダウン。
更に熱交換率85%を、考慮して、電気料金に換算すると、
エアコン1時間で30円の電気料金
×
熱交換換気扇換気能力70㎥(エアコンの7%)
×
熱交換率85%
×
温度ロス73%
=0.5円を、1時間に回収する計算が成り立ちます。
しかし、この時のダクトレス熱交換換気扇の電気料金が、0.9円。
つまり、0.9円かけて、0.5円回収する!逆ザヤが発生。
もちろん、これは冷暖房を行なった場合です。
冷暖房しない時期は、1円の回収も出来ません。
更に、フィルター交換、初期コスト費用を考えると、意味が無いと判断します。
弊社の計算が正しいとは言い切れませんが、これまで熱交換換気扇を使用した工務店社長の見解からも、あながち間違えてはいないと判断しています。
熱交換換気扇を使用した工務店社長のお話。
「冬、冷気がガンガン入り込むんだ!温度、測ってビックリだよ。
「熱を溜める」と言っても、壁側は、それほど温度が高くないからね。
溜めても15℃ぐらい。しかし外気は氷点下で入り込むわけじゃん。
そりゃ、冷たくなるのは当たり前だよ!
やってみないと分からないよね・・・。
イヤイヤ、2度と使わないよ、お客様に申し訳ないし。」